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むかしむかし、あるところに男を知らぬ女がいました

昔々あるところに、幸せな場所で、生まれた事を喜んでくれる家族がいて、幸せ者の女の子がいました。家族は当時思っていました。

いつかこの子も大きくなって大人になって、早くに結婚したり、就職したりするだろう。

当たり前のことでしょう。
ところが女の子は、何の因果か病気にかかり、家族も「仕事は?」、「結婚は?」と聞かなくなりました。

もう既に、その女の子の妹は子供を3人も授かり、いとこは結婚していませんでしたが。本家には長年望んだ後継ぎもおり。だれも。女の子の。おなごの。女の一生を心配するものは、いなくなったのです。

女は高齢の未婚の、ただの男も一人も知らない女になりました。

女は、思います。

自分の魂も残せずに一人も子を成さず、ただ、一人で生きるには、ちと、さびしくはないが、味気ない。

だからといって気に入らない人とは結婚したくない。
好きな人と結婚したい。

見ていてもいい夢。
しかし、見ていては叶わない夢。
女は、人には尊厳があるというが、ぼっちな自分は会話がただ保たないだけで、人の輪に加われないではないか! と憂鬱になります。

明鏡止水は、思います。
どんな人と巡り合い、どんなお話が出来て、どんなオシャレや常識を備えれば、自分は「人並」になれるのか。

https://kakuyomu.jp/works/16817330669097165709/episodes/16817330669097993245

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