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スウィンドラーは懲悪せり 《花は根に、鳥は故巣に》3【公開プロット】

「第二幕前半」
~試練・仲間・敵対者~
・逃げ足にかけては多少の自信がある輪花にとって、体力の続く限り追跡との距離が縮むことはない、という自信はあったが、それをやり通すのは難しい。スウィンドラーもおおむね同じ考えだったらしく、すぐにふたりは近く(狐小路)にある市電の停留場を目指す。ただ、乗る分にはいいが、逃走ルートはバレバレであり、先回りされれば終わる。体力勝負を避けるにはうってつけだが、市電の利用はけして最善の一手ではなかった
・しかし、スウィンドラーはこの問題を抱えた盤面をお得意の手練手管でもって覆す。市電に乗り込み、次の停留場で案の定、須佐美一家の追っ手が待ち構えていたが、大胆にもスウィンドラーはそこで輪花ともども降車する。ほんの二分ちょっとで仕上げた変装(カツラやメイク、輪花のミリタリージャケットを脱ぎ捨てる、)によって、輪花は黒髪ロングとマスクが特徴的なサマーファッション(Tシャツ&スカート)の女性、スウィンドラーは輪花のミリタリージャケットを羽織ったオールドファッションなミュージシャン風(白髪を隠すバンダナ、ウェリントンのサングラス)男性にそれぞれ変貌を遂げていたため、追っ手の目をしばしごまかすことに成功する
・そうしてひとまず降車して真白駅方面に走るも、急に走り出した点に加え、スウィンドラーがミュージシャン風男性には似つかわしくないリュックを背負ったままであった点から、追っ手にあのふたりだ、と気づかれ、ふたたび輪花たちは追われることになる
・そのさなか、スウィンドラーは輪花に携帯電話を貸すよう求める。輪花は求めに応じる。そうしてスウィンドラーは輪花の携帯電話でとりあえず助けにきてくれそうなフォールこと竹縄旋風に電話をかける。だが、旋風は電話に出なかった
・仕事柄、電話に全く出られないほど立て込むわけでもなく、平時であればすぐに電話を取るはずの旋風が出なかったことに違和感を覚えつつも、スウィンドラーはすかさず元ラムこと道尾弓弦に電話をかける。今度は(営業日なので当然だが)ちゃんと電話がつながったものの、もうすぐ予約者の施術がある、とのことでスウィンドラーの簡単な状況説明を聞かされてなお塩対応だった(※しかし、予約者が自己都合で一時間ほど遅れる、という連絡を受けたこと、次の施術までに時間があるのでその変更に対応できたこと、などから時間的な余裕がいくらか生まれたため、弓弦はスウィンドラーを助けるべく真白駅に向かう。そこでいよいよ輪花たち追いつけそうだった風一郎の前に立ちはだかる形で、スウィンドラーを助けることとなる)
・ほかの仲間、ジェミニやタナトス、キトンといった面々だが、いずれも場所的、時間的な都合の悪さが予想され、かけても仕方ないとして、スウィンドラーは助けを求めるのをあきらめ、輪花に携帯電話を返しつつ、真白駅直結のデパートに逃げ込もうと輪花に提案する
・対して輪花は、市電より高速で逃げられる真白駅発の電車に乗ったほうがいいのでは、と提案する。だが、スウィンドラーは、息が切れそうになっている今の輪花では乗るより前に追いつかれるか網にかかるか、いずれにしても捕まる可能性が高い、と前置きしてから、先に追っ手を攪乱し、目を欺いてから向かうほうがいい、と返す
・そういうわけで輪花はスウィンドラーに遅れないよう必死に足を働かせ、真白駅直結のデパートに飛び込む。まずはエスカレーターに乗り、背後から迫る追っ手に対してスウィンドラーがリュックの中身をぶちまけ、スプレー缶やら小型サイズの消火器やらなにやらに追っ手が足を取られて数名が脱落。
 続いてデパート五階のファッション&雑貨フロアでは、追っ手に対していわゆるかくれんぼを挑み、ここで一旦、追っ手をまくことに成功する
・そのままデパートの地下二階へと下り(※この段階で輪花とスウィンドラーは変装を解く。デパートでスウィンドラーがリュックの中身をぶちまけたため、少なくともスウィンドラーは早々に変装を解き、監視カメラに遠目ながら移っていよう「デパートで迷惑行為を働いた人物」と決別する必要があった)、そこから直結している地下鉄を目指した輪花たちだったが、須佐美一家が緊急的に張った網のひとつにまんまと引っかかる。待ち受けていたのは、輪花がよく知る楓一郎だった
・楓一郎はスウィンドラーを見るや、お前がスウィンドラーか、となぜか知っているかのような口ぶりでつぶやく(スウィンドラーの顔かたちを知っての発言ではなく、独り闇市からスウィンドラーが輪花と一緒にいるという情報を得た御園から、その旨を伝達されていたため)。しかして輪花に一言、お迎えの時間です、と告げる
・対して輪花は、楓兄さんも結局はそっちの味方なんだね、と言いつつ、こんなことならお父さんに会わなきゃよかった、と嘆く。父親に会ったという輪花の発言に、楓一郎は驚いたようなそぶりを見せる(自身は須佐美御園の命によって、スウィンドラーをとらえ、さらにはスウィンドラーのところにいるという輪花を連れ戻す任に就いたのであり、よもや須佐美一家の現当主たる竜苑が家出中の輪花と会っておきながら、未だに「竜苑の口から」輪花を連れ戻せという命が下っていないという点に驚いたため。ここで楓一郎は、此度の命令が御園の独断であることを薄々察する。察したからといって命に背くようなまねはできないが……)
・とはいえ、命令は命令です、などと述べて、楓一郎はなおも立ちはだかる。輪花お嬢様を連れ戻す前に、まずは|スウィンドラー《そこのおまえ》を無力化させてもらう、と(輪花は精神的に余裕がなく、なぜ楓一郎がスウィンドラーを知っているかのような口ぶりなのかに考えが及んでいない。しかしスウィンドラーはもちろんそこに疑問を抱いており、すぐに誰かしら仲間(あるいは手駒)の誰かが情報を売ったのだ、と感づく)
・対してスウィンドラーも、(上述の裏切り者の存在を確信したため)助手を逃がすほかにやること(裏切り者の発見と始末)が増えてしまった、と前置きしつつ、時間が惜しい、として手早く通させてもらうよ、と楓一郎を相手取る
・だが、すでにリュックの中身をぶちまけ、使える道具をひとつも持っていない(ただし(他人名義の)交通系ICカードは数人分持っている)スウィンドラーに対し、楓一郎は須佐美一家の構成員として積んだ鍛錬と、なにより構成員に与えられている尺寸約二十五センチの桜が彫り込まれた喧嘩キセルという武器を持っていた。ゆえに一対一の戦いは楓一郎の優勢だった
・そんな形勢の中、スウィンドラーを救ったのは意外にも弓弦だった。突としてスウィンドラー並びに楓一郎の横から現れ、楓一郎と取っ組み合い、ついには一本背負いを決める
・委細はともかく、これによって生じた隙をスウィンドラーは見逃さず、ただちに輪花を改札機に向かって走らせ、自分は交通系ICカードを手裏剣使いの忍者さながらに改札機へ向かって投げつける。そうして輪花は改札機を通過。スウィンドラーも同じやり方で改札機を開かせつつ、二枚まとめて交通系ICカードを回収し、脱兎のごとく地下鉄のホームへと急ぐのだった
・ここで視点を楓一郎(あるいは神視点)に切り替え(章立てはしない)。一本背負いを食らいながらも、まだまだ余力がある感じで楓一郎は立ち上がる。行ったか、とスウィンドラーが去ったほうを見やる弓弦に対し、面倒なことをしてくれたな、などと面倒くさそうに告げる。どこの誰かは知らないが、なぜ手を出したんだ、人助けのつもりだったか、などとも
・すると弓弦は、予約していた患者から遅れると連絡があってな、と前置きしつつ、一時間ほど暇ができたのだ、と続けるのだった(当然、楓一郎にはなんのことはわからない。弓弦にしても、スウィンドラーとは旧友だが仲間ではない(つまりはおおっぴらにはかかわりを持ちたくない)という複雑な関係につき、正直に助けるためと答えるつもりはなかったため、明言を避けた形になった)

「第二幕後半」
~最も危険な場所への接近~
・電車に乗ってどうにか追っ手を振り切った輪花たちは、電車の速度で真白市の中央区から東区へと進み、近場にあったスウィンドラーの事務所第一号でようやく体を落ち着ける。もっとも、それは自動車整備工場の片隅で野ざらしになっている廃バスであり、事務所とは名ばかりの場所だった
・本来の事務所にいるときとは打って変わって、てきぱきと車内の清掃に励むスウィンドラーをよそに、輪花は恐れていた事態に発展したことを改めて痛感し、不安で押しつぶされそうになっていた
・そんな輪花に、スウィンドラーはふと、掃除の手を止め、輪花が家出をしていることはわかっていたが、どうして急に連れ戻そうという流れになったのか心当たりはあるかい、と輪花に尋ねる
・問われた輪花は、数日前に友人である越前秀斗の見舞いに行ったこと、その病院が偶然にも(単に輪花が気づいていなかっただけ)竜苑の入院先と同じであり、さらには須佐美一家の幹部である男にその場で見つかってしまったこと、そして竜苑とも顔を合わせ、けれど話し合いは平行線のようなありさまでかっとなった輪花が話が付かないうちに病室を出て行ったこと、などをスウィンドラーに打ち明ける。きっとあれがきっかけになって今回の事態につながったのだ、とも
・対してスウィンドラーは、仮に連れ戻し事案が輪花の想定に違わぬ理由に端を発したのだとしても、須佐美一家が真白の仕事人ことスウィンドラーの存在を認知していた点が気にかかる、と返す(ここでスウィンドラーは、独り言的に、繚乱会の一角を担うマダム・アクトレスことキトンが輪花憎しで「輪花がスウィンドラーなる男と一緒にいる」といった情報を須佐美一家側に流したのか、とキトンを疑うようなことをつぶやく。ある意味、これもアーテーの術数のうちだったり……)。輪花もそれは確かに変だ、と感じるも、繚乱会の内実やらキトンの感情やらに詳しくないために、いっそう不安にさいなまれる
・しかしスウィンドラーはいつもの明るさないしはいい加減さで、輪花が帰りたくない以上はひたすら逃げるに限る、なんなら自分の助手でもある輪花を無理やり連れ戻そうというのなら真白の仕事人の恐ろしさを直接に味わってもらうだけだ、などと開き直るように言葉を継ぐ
・「ところで輪花ちゃん」とスウィンドラーは話題を転じ、「車中泊の経験はあるかい?」と尋ねる。つまりは今日、ここで一夜を明かそうという提案だった
・もちろん輪花は反対する。カプセルホテルやインターネットカフェだって探せば付近にあるはずであり、わざわざこんなところで寝泊まりする必要はない、と
・対してスウィンドラーは、須佐美一家が真白市にどこまで網を張れるかは未知数であること、市内のブラック企業のほとんどを牛耳ている関係上、張られる網の範囲は相当な物になるであろうこと、言わずもがなカプセルホテルなどの商業施設もいくつかは確実に須佐美一家と通じているであろうこと、などを語って聞かせ、そういった場所よりはこんなところのほうが秘匿性が高く、安全だろう、と続ける
・スウィンドラーの言い分はもっともだった。今は快適さより危険の少なさを選ぶべきだろう、と考え、輪花は渋々スウィンドラーの提案を呑む
・そうと決まれば追跡の手がこちらの方面に伸びてくる前にひととおりの備えをしなければ、として、スウィンドラーは腰を浮かす。しかして「業界大手のコンビニまでもが須佐美一家と通じていないことを祈るとしよう」などとひとり買い出しに向かうのだった
・そんなこんなで日が沈み、輪花は廃バスの最後列の長い席に座りながら、窓の外を見やる。入れ違いでトイレ(コンビニ)に向かったらしく、スウィンドラーはいない。ゆえに気慰みのつもりで星々に意識を向けていたのだが、何分星座の知識に乏しく、携帯電話で調べつつ、あれがそうか、いいや違うか、と四苦八苦するばかりだった
・そこへいつの間にやら戻ってきていたスウィンドラーが、コンビニで買ってきたバスタオルを輪花の肩にかけながら、「流れ星を見つけるコツは『あれがそうだ』と勘違いすることさ」などと告げる。つまりはめったに見られるものではないから、願い事のたぐいは祈りではなく自分の力で叶えるほうがいい、として、スウィンドラーは今後のために今は早めに体を休めるべきだ、と続ける
・輪花は毛布(あるいは敷き布団)代わりのバスタオルを指先でいじりつつ、眠れるような気分じゃなくて、と答える。対してスウィンドラーが寝物語の持ちネタがあれば寝かしつけてあげられるんだけど、と軽々に返した言葉から、それなら、と輪花は気になっていたことを話題として持ち出す。こうして自分を逃がしてくれるのは、自分が助手であるからだろうが、そもそもなぜスウィンドラーは輪花を助手にしようと思ったのか、と
・対して(寸時、逡巡するも、桜花のことを知った今ならある程度、話せることもあるだろうとして)スウィンドラーは、よかれと思ってね、と言い出しつつ、須佐美一家という悪に対して輪花を「保護」することもまた懲悪の一環さ、と返す。加えて、輪花の姉にしてスウィンドラーの幼なじみたる桜花との縁がそうさせたのだ、とも(ここで輪花が桜花について、幼なじみであるスウィンドラーに尋ねる。のちの過去編につながるような、ちょっとした掘り下げ。いい加減(多少なりとも)語らせるべきかと思われる)
・ここでようやく「スウィンドラーにとって須佐美一家もまた懲悪の対象だった」ことが明言され、輪花はこれまでそう思い込んだり誤解だと思い直していた「須佐美一家の次期当主である輪花もまた懲悪対象になる(なりうる)」という可能性を現実的なものとして認識する
・そして思わず、輪花はスウィンドラーに「自分がもし次期当主の道を歩んでいたら、懲悪の対象になっていたのか」を尋ねる。しかし、スウィンドラーはその問いの不穏さに感づき、それはかつての僕のみぞ知るってやつだ、タイムマシンの実現が待ち遠しいね、と言葉を濁す。しかして、それよりも、今は須佐美一家にどう対抗するかが重要であり、それについては輪花が望むなら真白市を脱出するプランも考えてある、だから安心して休んでほしい、と告げる
・スウィンドラーの真意に迫れる貴重なチャンスを茶化された点は納得できなかったものの、一助手にすぎない自分のためにそこまで考えてくれているんだ、と感じ、輪花はひとまずスウィンドラーの意を受ける
・スウィンドラーは、脱出するにしろしないにしろ、逃走劇を続けるに当たっていつでも使える移動手段の確保が先決であることを前置きし、明日の朝、日が昇りきる前にここを発ってサイドカーつきのバイクを取りに行こう、と予定を説明する。そんな説明に、輪花は横になりながら、わずかな希望を抱き、ゆっくりと夢寐につくのだった

~最大の試練~
・場面変わって翌朝。朝霧立ちこめる廃車の墓場にて、輪花はスウィンドラーの差し出した手を取り、廃バスを降りる。スウィンドラーのダサいリュックに買い込んだ食料やらなにやらを詰め込んで、まだ電灯が灯っているような、かわたれ時の薄明るい中をふたたび駆けようという段になって、輪花とスウィンドラーはどこか希望に満ちた明るい口調で話ながらいよいよ一歩を踏み出そうとする
・そんなふたりの前に、朝霧の奥からまたしても楓一郎が姿を現す。こんなところに事務所があるとはにわかに信じられなかったが、どうやら運良く当たりを引けたようだ、などと語る楓一郎に、スウィンドラーは、今は使っていないような事務所第一号の場所が割れていることに少なからず驚きを見せる(ここでスウィンドラーは事務所の場所を知る何者かが須佐美一家に情報を流していることを確信し、その候補をキトン、ファウン、アーテーあたりに絞り込む(弓弦は敵対する理由がないので除外。その他の仲間は事務所第一号の場所までは知らないのでやはり除外できる))
・しかし、驚かされたのはそれだけではなかった。朝霧にごくうっすらと朝日が差し込むや、楓一郎の背後に十数人規模の須佐美一家の構成員の姿が現れる。こんな早くに行動を起こそうとしたにもかかわらず、それよりうんと早く、須佐美一家の側が先回りするように輪花たちの逃げ道をふさいでいたのである
・もはや逃げ道はない。ゆえにスウィンドラーは前向きだった先ほどまでの朗らかさをがらりとひるがえし、殺気立つ。このままではパペティアと対峙したようなあの状態になってしまう、と危惧した輪花は、スウィンドラーが行動する前に、自ら前に出て、自分が須佐美一家の次期当主であることを笠に着るかのように楓一郎ら構成員に「おとなしく引き下がって」「言うことを聞かなければクビにしてもらう」などと威嚇する
・輪花の精一杯の脅しは、しかしなんの効果も見られなかった。それもそのはず、格が違った。楓一郎の背後から、須佐美一家の当主夫人かつ当主の名代であることを語りながら須佐美御園が姿を現し、輪花は自分と母親とでは命令の優先順位が異なる(輪花では御園の命令を覆せない)こと、この場において自分の発言力は無に等しいことを思い知らされる
・竜苑の妻たる御園が現れ、ここがいわゆる正念場だと感じたスウィンドラーは、御園をうまく捕まえられれば彼女を人質として窮状を打破できる、と踏み、単身、御園めがけて躍りかかる。無論、それを許す構成員らではなく、楓一郎の背後にいた構成員らは手柄欲しさに我先にといった勢いで応戦する
・構成員らはみな楓一郎が使ったような喧嘩キセルを武器としていたが、コンビニであれこれ取りそろえていたスウィンドラーは、いろいろ詰めたリュックをブラックジャック(サップ、とも呼ばれる武器)のように振り回したり、パーティーグッズのクラッカーで(紐を口にくわえ、片手だけで使えるようにした上で)猫騙しをしたり、ボトルをつかんでぴゅっと噴射させた食器用洗剤(オーガニックタイプ)で目や口を狙ったりと、奇想天外な戦術で構成員らを翻弄する
・構成員らがひととおり対処されたのち、彼らとはスタンスを異にする楓一郎がようやく前に出る。楓一郎のみならず、黒人の大男――マーヴィン・ダンも続く(楓一郎は喧嘩キセルを手にするが、ダンは手にしない。手加減は無用だぞ、的なことを楓一郎が口にすると、ダンは桜の彫り込まれた美しいキセルを武器にするのはもったいないから、的なことを返す)
・楓一郎には一度追い込まれているとはいえ、当時に対して今はスウィンドラーにも武器という武器がある。よってスウィンドラーは楓一郎とダンのコンビを前にしても臆することなく戦いを続行するも(ここでスウィンドラーが輪花に向かって「輪花ちゃんは危ないから下がってて」的なことを言う。それに対して楓一郎が「気安いぞ、スウィンドラー!」などと反感を口にする)、楓一郎以上にフィジカル面に秀でたダンがいたためにやはり劣勢を強いられ、がさつでいて稚拙、しかして十二分に強力な連携を前にコテンパンにされ、とうとう取り押さえられてしまう

~報酬~
・スウィンドラーが敗れたとあっては、今からひとりで逃げても捕まるのが関の山。そうでなくてもスウィンドラーを置いて逃げるという気にはなれず、輪花は思わずもうやめて、と楓一郎とダンを制止したのち、家に帰るから、家出をやめるから、それ以上その人を傷つけないで、と切に訴える。
 これまでなにかと世話を焼いてくれたスウィンドラーにいくらか情(恋情ではない)が移っていたために、後先を考えるよりスウィンドラーを助けたいという思いが先行したのである

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