今月から連載を開始していた『巡り廻るはボロスの尾』が完結しました。
この作品はコミカルな少年少女が体験したひと夏の冒険談でしたが、もうひとつのテーマである『お金』について少し書いておきます。
お金は恐らく人類が発明したものの中で最も文明を発展させて、今私たちが暮らす豊かで便利な時代を築いた立役者でもあります。
ただ、その利便性と影響力の大きさにより失った大切なモノもあるということも知ってもらいたいと思い、筆を進めてまいりました。
そのお金は生活の上で無くてはならないものですが、一方では力になり、武器にもなり得ます。現代社会で一番の影響力があり信仰されているお金ですが、それに固執するあまりお金では買えない大切なモノを失っているのではないか? 私はふと振り返ることがあります。
それは自然や資源であり、人の時間や夢、人生そのものがお金中心に消費されてきた結果、すでにその綻びが見え隠れしているのは誰もが知っていることだと思います。
仮にこの先あるかもしれない未来、今の状況がさらに進行してしまったらこれから時代を担う子供たちは希望を持って生きていくことはできないでしょう。
世の中の流れ誰にも変えることはできませんが、理解し、別の視点から見て考えることはできます。アンチテーゼの一つとして仮に自分だったらどうするだろう? そんな素朴な問いからこの作品を執筆してみました。
少しメッセージ性が強い題材だったので物語に落とし込むのに苦労しましたが、あまり重くなりすぎず、なおかつ読みやすさを重視して書きましたので、二つの視点を楽しみつつ読んで頂けたら嬉しく思います。
『巡り廻るはボロスの尾』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882696762