おはようございます。
本日、『彼女と私の秘話』
https://kakuyomu.jp/works/16818093079862556066がラブコメ枠で279位/週間にランクインしました。
これも全て、本作を読んで下さる皆様のお陰でございます。ありがとうございます。
で、ふと気付いたのですが、もしかして本作を読んで下さっている方の中には
『あれ? 神官(イエンウィア)ってそもそも結婚できるの? 聖職者でしょ?』
って疑問に思われた方もおられるのではないかと。
キリスト教や仏教の聖職者は、国や宗派によって違いはあれど、独身を貫かねばならないイメージですもんね。
結論から言うと、古代エジプトの神官は妻帯できました。一人限定ですけど。もちろん、例外はあったようですが。
そもそも、古代エジプトの神官というのは、キリスト教の神父および牧師さんや、仏教の御坊さんとは果たすべき役割が異なっていました。
神から啓示された真理を伝えたり、また、人々に信仰を勧めたり、よりよい人生を送れるように導く伝道者ではなかったんですね。
じゃあ、何してたのよ? ってわけなんですが。
古代エジプトの神官はつまり、一言で言うとファラオ(王様)の代理として神様に奉仕していた集団。あくまで”職員”でした。本来ならファラオがやるべき仕事を、神官が代わりにやっていただけだったんです(何故なら古代エジプトでは神殿も神様も多すぎて王様一人じゃ手が回らないから)。
拝謁の間でお告げめいたこともしていましたが、基本的には神殿の運営や行事、財政の管理をしていた公務員みたいなもの。
神様と交流できるのは、ファラオの特権だったんです。
だから男性神官は、子作りだって普通にしてました。
そもそも、神官は多くが世襲制だったそうなので。子供作らなきゃ跡継ぎいなくなっちゃいます。
ただ、神殿自体は清らかさを重んじる場所なので、「子作りしたら出勤前に沐浴しろよ」、とか、「神殿内では子作りすんな」という決まりはあったそうです。
とはいうものの、古代エジプトの神殿は不浄よりは不潔を嫌っていた感じなので、行為後の沐浴も、神殿内では行為を慎ませるのも、清潔さをキープするのが最大の目的な気もしないではないですが……。
女性神官の場合は、「あたし、前世で古代エジプトの巫女さんしてたのよ」と仰っておられたオンム・セティの話によると、セティ一世と通じていたことがバレて死刑になってしまったそうなので。それが本当なら男性よりはその辺に厳しかったと言えますね。
普通に誰かの奥さんしながら、神殿に仕えていた女性も沢山いたそうですが。きっと、仕え方にも色々あったんでしょう。
神社でも、神主もいればお祭りの時だけ集まって来るハッピ着たおっちゃんもいるじゃないですか。あんな感じ?
実際、神官には常勤もいれば、季節労働者として数ヶ月勤務する非常勤もいたらしいので。
イエンウィアは、最高司祭補佐役なんで、常勤ですよ。
というわけで、『彼女と私の秘話』でレクミラがイエンウィアに「結婚しようよ。ねえねえ、結婚しようよー」とがんがん迫っていますが、それはオッケーということなんです。
神殿内でのイチャラブはアウトですけどね。
まあ、チューくらいは物語の都合上、イエンウィアの上司や同僚には見なかった事にして許してもらいましょう。
というわけで、古代エジプト神官の恋愛および結婚事情でございました。
長々と失礼いたしました~。