拙著アサルトファングも、ようやく完結一歩前まで来ました。あとはエピローグだけですが、既に原文テキストは作成済で、あとは投稿ページに入力するだけで、分量も少ないので、盆休み中には完結させたいと思います。ところで、今回主人公が、ラノベの主人公らしからぬ行動を取り、そこで賛否あるかもしれません。言っておきますが、本作品は、基本勧善懲悪テイストで、物語を盛り上げるために、凶悪で最強のキャラが出てくることはあっても、主人公サイドが悪事に走ったり、ことさら残虐行為を楽しむということは、原則ありません。
何が言いたいかと言うと、ヒーローものによくあるシーンで、主人公の剣の前に悪者がひれ伏して、命乞いをします。さんざん人々を殺してきたくせに、自分だけは助かりたいと言う虫のいい願い。しかし主人公は斬るに忍びづ、許してやって背中を向ける。そこを、悪者が隠し持っていた剣で背後から襲い、即座に反応した主人公の剣に斬られるというおなじみパターン。しかし、あんな見え見えの自滅行為に走るものでしょうか。悪党は主人公の靴を舐めてでも生きようとしますよ。敵わないとわかっている相手に、手向かいなどしません。あれは、ヒーローは、命乞いをされたら、どんな悪人でも許さねばならないとか、奇妙な人道主義によるご都合展開です。一昔前まではそれでもよかったかもしれませんが、既にあまたのラノベが作られた状況で、更に新しい境地を切り拓かねばならない作家にとって、これはキツイ縛りになりかねません。そこで私は、こういう場面ではきっぱりとした態度を取ります。正義を慈悲と勘違いしている人もいますが、正義を為すには、慈悲だけでなく、覚悟も必要です。「六龍がとぶ」という韓ドラで、「善と正義は違う。善は悪人をも許すが、正義は悪人を許さない。悪を裁いてこその正義だ」と主人公が、言い放ちます。胸のすくセリフです。