• に登録
  • 歴史・時代・伝奇

『孺子帝』「第五十六章 読史の怒り」の雑談

翻訳の途中、タイトルを「歴史を読む者の怒り」にしてみたのですが、
結局、原作のタイトルを直訳した物に戻し、その方が適切と思いました。
直訳の「読史の怒り」だと一見して何?と思うでしょうが、
内容を読めば、理解するのに難しくないはずです。
疑問の提起も読書の醍醐味ではないでしょうか。

この章は、個人的に気に入った一章です。
小さい頃から、歴史書が好きではありませんでした。
何で皇帝、大臣、謀反者、金持ち、武術の達人などの話ばかりだろうと思いましたね。
だから、羅煥章の怒りはある程度理解・共鳴できる部分がありました。
理想を描き、掲げたとしても、殺人や流血も行う。
歴史的、現実的見ても、避けられないことでしょうか?
血肉が付いた文章や小説が中途半端なニュースよりよほど真実味がある気がします。
『孺子帝』の世界では、人を正義と邪悪で区別せず、
あるのは、動機、価値がそれぞれ違う人々です。
真実味のある世界ではないでしょうか。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する