東杜寺 鍄彁

「私も見たかったな『マグロ』」 人身事故に遭遇した後、やたらと人の死に遭遇する僕に彼女はそう呼び止めた。 僕と彼女の奇妙な始まりと最後。

この作品には過激な描写、一部の方々には非常に受付難い表現が多分に含まれております。 グロテスクな表現に弱い方、特に血肉が飛び散る、流血等の描写が苦手な方々は読むことをお勧めしませ…

1945年８月12日、日本は広島・長崎に次ぐ木更津への核兵器投下とソ連軍の侵攻により降伏した。日本はソ連による東北進駐と、戦勝国間の交渉の結果、事実上の分断国家『日本連邦共和国』…

二年前に突如として始まった内戦は既に勝敗を決する処に至っていた。長崎を目指して歩き、撃ち、踏み越えるだけの戦争だった。あの日までは..... 内戦末期の大宰府、瓦礫だけが残る旧市…

とある終末、東京という地下街に数千万の人々が共和国という国を作り、暮らしていた、そんな終末。 歴史とも神話ともつかない、ただ今の私達のルーツだと、そう言われている真偽不明の東京の…

僕は精神薄弱で、リーガルの範囲で飛ぶジャンキーで、ろくでなしで、夢に破れて....とにかく、そんな、人を苛つかせることに関しては天性の才能を持った人間だ。 何の面白味もない、人生…

近くとも遠くとも分からない未来。東京の貧民地区に住む少女「東 悠（アズマ ユウ）」はその日もこの世の不条理と、自己嫌悪、劣等感の中、四畳半の一室で停滞に満ちた生活を送っていた。 …

ある文豪がいた、彼は無名だった。しかし私は彼の文が好きで堪らなかった。私のほうが彼より有名になり、商業作家として成功するようになっても、私は彼を超すことが出来ないとさえ思っていた…