入りきらんかった。いつも上手く纏められず読みづらくてすみませんm(__)m
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【探索のヒント! その九】
《鑑定士》
ありとあらゆる物の価値を定める者。真贋を見極める者。なお、その対象には生物も含む。
ダンジョン黎明期において、【人物鑑定】や【魔物鑑定】が見つからなかったことから、がっかり≪鑑定士≫と噂され、その評価は今なお払拭されない。
だが国や組織、一部の探索者はその存在を確認しており、その可能性に目を付け日々あらゆる手段を用いて成長させようと躍起になっている。が、残念ながらその育成に成功している者はほぼ居ない。
その理由はレベル上昇による魔力成長の配分を他の能力に注がれるため、【人物鑑定】、【魔物鑑定】の成長する余地がないからである。
しかし、それも無理はない。生物にとって生きたい、死にたくないという生存本能は何よりも優先される。
レベルを上げ魔力を成長させ、身体を進化させなければ、スキルは伸びない。しかしそれはつまり、自ら死地へ飛び込むということになる。命のかかった戦いにおいて、生存能力へ進化のリソースを振らずにいられる人間など居ない。
生き残る力を伸ばさずに、観察に特化する力を進化させる。それは破滅を恐れぬ飽くなき探求心か、それに代わる何かが無い限り土台無理な話だ。無意識の本能だからこそ、その壁は高く分厚い。にも関わらずそれを達成できたとすれば、その者の精神性は常軌を逸している可能性がある。もはや狂人であると言っていい。
しかしだからこそ、それを成し遂げた者の情報アドバンテージは他の追随を許さない。
一目見るだけで、その対象自身すら知り得ない情報を問答無用に引っこ抜くなど、理不尽にも程がある。≪鑑定士≫の前では秘密などあってないような物だ。それは戦闘力を放棄し、それに身を捧げることでようやく得られる怪物の力である。
高レベルの【魔物鑑定】による探索者が得られる優位性は言うに及ばず、【人物鑑定】は対人において最強レベルのぶっ壊れと化すのは間違いない。
これを持っている者とそうでない者では、もはや見ている世界が違う。そこから変化する行動の指針は、それまでの遅れをあっさりと覆す程の推進力を見せるだろう。
なお、≪錬金術師≫はあらゆる素材を見極める必要があるその特性上、第二、第三のジョブで≪鑑定士≫を得やすい隠れ性質を持つジョブである。しかし重要なのは、レベルを上げることが出来るかどうか。結局のところ本人の性質によるところが大きい。
≪鑑定士≫でありながら前に進むことを選んだ者。もしその者をいち早く手中に収めたのならば、ダンジョンの全てを掌握することも夢ではない。