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挿話1

この小説集は過去に短編小説の集いという伝説の集いでアップされていた作品を、加筆修正して一つの作品として成立するようにしている。

以前の短編では、極力説明や物語的な派手は展開を消していた。個人的には映画にしても、小説にしても、極力説明をしない、描写だけで押してくる作品が好きだ。

ヴィム・ヴェンダースという偏屈な映画監督の「パリ・テキサス」などが個人的にすごく好みだ。ちなみにヴィム・ヴェンダースの作品をすべて見ていて、詳しいわけではない。

小説でもそういう世界を目指していた。
視覚的な描写を最大限にして、その代わり、説明を極力削っていた。

逆に説明がなさ過ぎて、分からない部分もたくさんあると、今更読み直すと感じた。その点を修正するのが今回のリライトの目的だ。

また五千字という字数制限もあった。だから、削らなければならない場面もたくさんあった。その場面の復権も考えている。

説明のための作品を、今回は挟んでみた。そもそも、どうして僕はケンジのためにシホに付き合うのか、ケンジがどのようなシチュエーションにいるのか、などを補足説明した。
これで結構わかりやすくなるはずだ。

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