たまき

過去も未来も記された、一冊の年代記。それは、かつてこの国を救った聖女が残したものだと伝えられ、この書物を読み解ける人物が渇望されていた。 貧民街の片隅で膝を抱えて生きていた少女…

明治時代のはじめ、ふたりの少女はお祭りの夜に赤いドレスの金魚と出会う。 見えない金魚が寄り添う沙子と、見えないはずの金魚が見える文子。 文子は、金魚に選ばれたいと願っていた。 …

鯨が空を飛ぶようになった理由を知るさかな。 鯨のお世話をする少年。 かみさまに囚われた少女。 鯨の最後を見送る人びと。 窓硝子に映る鯨と出会った少女。 空を優雅に泳ぐ白い鯨に纏…

海辺の街にある南森高校。 その学校では、ひとの姿をしたさかなが生活していた。 彼らは、18歳の誕生日に海へと還る。儚いひととしての青春のものがたり。

国を鎖していた時代は終わり、外つ国の文化が流れ込んできた時代。 外つ国の文化に囲まれた女学校と寄宿舎のなかで、少女たちは生活を営んでいた。 親愛なるあなたへ これは、どこか…

江戸時代が終わりを告げ、新しい時代が始まった頃、 女学生だった”わたし”には大切な人がいた。 大切な彼女の、話をしよう。