たぶんもう君と

 Chinese New Yearの長期休暇を利用して、久しぶりに日本に戻りました。
 久しぶりに会った母は、ずいぶん年老いたようで、心なしか元気が無いように見えましたが、クルマで一緒に出掛けようと言うと、化粧をして、ウィッグをつけて、明るめの服を着ると、見る見るうちに別人のように若返り、年老いた母親ながら女のパワーを感じました^^

 生まれ育った街の景色もずいぶん変わっていて、当時、ある思い出深い踏切を訪ね、少しだけ感傷に浸りました。

◇ ◇ ◇

 18歳の頃、いろいろなことがあって、その街を離れることを決めた。家を出て、駅までの道のり、幼い頃から毎日のように通った踏切から、見上げた西の空に黄昏が始まっていて、僕はそこで一度立ち止まり夕焼けを見上げて、やがて線路沿いの道を駅に向かって歩きだした時、

--その人が偶然そこに立っていた。

 二人が別れてしまった理由がその頃は理解できずに、今更どうすることもできないと知っていたから、二言三言言葉を交わして、「じゃあ」と言って別れた。

 ギターを抱えて、うつむくみたいにして歩き始めたら、

--たぶんこの先、もう一生会うことがないんだろう・・・

 そんなことが突然頭をかすめて、猛烈な切なさに襲われて思わず振り返ると、

---彼女も振り返ってこっちを見ていた。

それが彼女を見た本当に最後の姿だった。

『たぶんもう君と』

黄昏は
線路の向こうから
突然やってくる

この街を離れる時さ

電車の時間気にして
二言三言交わした

君は今
幸せな愛に満ちているのに
なぜ振り返り
首をかしげて
そんな目で見つめるの


新しい恋人のウワサは
気まじめで優しい人

幸せに暮らしているんだろう

心残りは
泣かせてばかりいたあの頃さ

過ぎ去った後
失くしたものの
重みに気づくものだよ

今 振り返れば
君に似た人ばかり愛してきたみたい


作詞 / Kei
作曲 / Kei
歌 / FUKASE(Vocaloid)

https://www.youtube.com/watch?v=ugVz_7cDOC8



◇ ◇ ◇

 この歌は20歳の頃つくった歌で、アレンジはボサノバで僕の好きなアルトサックスを使いました。ちょっと古臭いメロディーですが、聴いてみてください^^
 ※小説「二十歳の恋愛 第66話夢の終わりに」の挿入曲です。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881069140/episodes/1177354054882114490

6件のコメント

  • ちどりさん

    早速のコメントどうもありがとうございます。うれしいです!
    曲も聴いていただきうれしいです。
    JAZZ好きですか?聴いていただける方がいるなら、それを励みにもっと作っちゃおうかな~と思っています^^

    これからもよろしくお願いします。

    Kei
  • ちどりさん

    ピアノ習ってたんですね。先生がそういう人で良かったですね。
    クラシックはあまり聴かなかったのですが、「のだめ」を見てからクラシックもいいなあと思うようになり、時々聴きます^^
  • keiさんおはようございます。
    『プロローグは刺激的に』
    完読&素敵なレビュー★ありがとうございました。
    沢山の応援コメントもとても励みになりました。
    嬉しかったです。
    本当にありがとう。
    。+゚(*ノ∀`)

    今後とも宜しくお願い申し上げます。
  • ayaneさん

    こちらこそ、本当に楽しい作品を読ませていただきありがとうございました。伏線の引き方、ストーリー展開等、とても勉強にもなりました。

    これからもよろしくお願いします。
  • まとりくれあさん

    コメントありがとうございます。うれしいです。
    「Valentine’s  Rain」特にラストシーンがとてもよかったです。雨というのは、その時々の人の気持ち次第で見え方が変わるものですね。

    僕もいろいろ書いてますけど、中途半端に書きかけているものもあり、なかなかひとつに絞れません^^

    お時間があれば「同じ月を見ていた」を覗いてください。2話完結なのですぐ読めると思います。

    これからもよろしくお願いします。
  • まとりくれあさん

    続けてレビューしてもらって感激ですよ!ありがとうございます!
    「ネコと呼ばないで」を楽しんでもらえてうれしいです。
    僕は、ああいう明るくて楽しい恋が大好きです^^
    いつでも遊びに来てくださいにゃ~

    これからもよろしくお願いします!

    Kei
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