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「おその惣助物語」が書かれるまで

桐生甘太郎です。

今回、「おその惣助物語」を書くにあたって、幼い頃から「椿姫」の映画が好きだったですとか、江戸時代の落語が好きだと言った私の趣味もあるのですが、一番はもしかしたら「私自身が茨城県民になった」ということがあるかもしれません。

デュマ・フィスの「椿姫」は小さい頃から映画がとても好きで、大人になり初めて小説を読み切った時は、道端にうずくまって泣き続けたのを覚えています。

落語では、六代目三遊亭圓生さんの「真景累ケ淵」がとても好きでして、下総が出てくるため、「江戸時代の田舎弁はむしろ下総しか知らない」という事もありました。(十代目金原亭馬生さんも好きなんですけどね)

そして、四年ほど前に自分も茨城に引っ越して来て、だんだんと馴染んできたので、「ここらあたりの話を書きたいなあ」と思い始めたんですね。


早速、「江戸時代の百姓生活」(農業新潟協会)や、「米・百姓・天皇:日本史の虚像のゆくえ」(ちくま学芸文庫)などの資料を買いました。

それから、茨城の方言をまとめたサイトなどを探して、分からない時にはずいぶん頼りました。「昔の茨城弁集」というサイトです。単語数の膨大なことに驚きました。

ところが、古本屋さんからの「江戸時代の百姓生活」が家に届いてみると、なんと和紙で製本された、どえらい昔の出版物だったので、困ってしまいました。

でも、なんとか「御触書」の類いを集めた章を少し読むことが出来まして、たとえば惣助の家の造りなどを書くことが出来ました。

これから先も江戸物語はきっと書くと思うので、今度はもっと辛抱して、資料をすべて読み通してから書き始めたいと思っております。

そんなこんな、「おその惣助物語」の裏話のようなものでした。


桐生甘太郎

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