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昔の恥

 前回、忘れっぽい、という話を書きましたが、中でも、人の顔を覚えるのは、超絶的に難しいです。殆ど無理。
 いちばんひどかったのが、何年前か忘れたのですが、小説家の懇親会で、いままでオンラインでしか逢ったことのなかった、先輩作家のYさんという方に初めてオフラインでお逢いし、ちょっとお話をさせていただきました。
 それが、懇親会も終わり、そういう場は早くはける私が、エスカレーターの下の所で、他の友だちを待っているときに、上の方から、Yさんが降りてきます。私はポンコツなので、「きょうはありがとうございました!」と最敬礼しました。相手はキョトンとしています。
 十数秒後、私が挨拶したのは、Yさんではなく、きょう初めて合ってちょっと話しただけの出版社の編集者さんだと気づき、私は、人間って、ほんとうに真っ赤になるんだ……という思いをしました。

 それから、逢って話をした方は、できるだけ写真を撮って覚えようとしたのですが、ある作品の打ち合わせのために、ハンバーガーショップでお逢いしたずっと年下の女性編集者の方の写真を撮ったときは、何だか微妙な空気になってしまって、(こいつ、仕事の話にかこつけて、若い女の写真撮りたいだけなんじゃないか? ああん!?」みたいな感じになってしまいまして。

 記憶力って、大切ですよねえ……まあ、一生直らんと思うし、いまは小説界もオンラインのことが多いので、数冊も本を出してくれた編集者と、互いの顔すら分からない、なんてこともあります。まあ、沖縄まで来てくれ、とも言えませんし、逢った所で、オフラインで話さないといけないことも、別にないからかまわないんですが。

 というような、雑談でいいんでしょうか。作品の内容には、各話あとがきがついていますし、意味のあることも、あまり書けないんですが、まあのんびりと参りましょう。

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