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学校読書調査結果を2023年のものに入れ替えました

で、『若者のライトノベル離れ』ってこうやってデータをバージョンアップさせます。では2022年と何が違うのでしょう。


https://kakuyomu.jp/works/16817330659071865553/episodes/16817330659080801669

1:中3で最も読まれたのは児童書。しかも『小説版名探偵コナン』や『かいけつゾロリ』です。高校受験に向けて必死に勉強している子の愛読書はもうラノベじゃない。小学館のジュニア本が読まれているってことだね。

2:中学生の不読率が史上最低レベル

3:ライトノベル実売数では無双状態の薬屋は高校生ではトップ20位にもランクインしない。おそらく大学生もそうなのでは。ということは本来中学生向きに書かれた薬屋が読まれているのは20代後半から30代!?

4:逆に高校女子に人気なのは「膵臓」

5:久しぶりに中2でラノベがランクインした『ショットガン・ナウル』(グッバイ宣言シリーズ)などは珍しく小中学生向きのライトノベルだが公募作品ではなくボカロ原作である。

みなさん、これが現実です。

ここからはフォロワー様限定の特典です。では高校3年・男子
つまり投票権を持っている高校生の愛読書が気になりませんか?

1位 変な家
2位 ソード・アート・オンライン
2位 変な絵
4位 君の膵臓を食べたい
4位 古典部シリーズ
4位 かがみの孤城
4位 君が明日、この世から消える前に
4位 小説版すずめの戸締り
4位 小説版スパイ・ファミリー
4位 マスカレード
4位 火花
4位 時々ぼそっとロシア語でデレる隣のアーリャさん
4位 探偵はもう死んでいる
4位 夢をかなえる象
4位 余命10年
次点16位以降省略

これだけ同率4位があるって事は逆にさすがに高校3年ともなると大学受験で大変……なわけねえだろ。いまや指定校で年内入学決定の時代だよ。いまや大学受験の一般受験率は30%程度です。ガチ受験生ってもはや国公立志望でもない限り一般受験はしないんですよ。それどころか大学受験の大半は指定校・AO推薦入学で決まるから高校3年の冬ってザ・青春時代なんです。そんな時間の余ってる高校生のこの不読率のひどさ。小中学生は本を読んでいるのになんで高校1年でぐっと読書率が下がるのか。そして新社会人1年(22歳)で何でさらに読書率が下がるのか。そして今の我が国の高校生の最大の問題点は「小説しか読まない」って事なんです。
普通は高校生ともなると岩波新書などの新書だって読むし(特に大学受験対策のために)社会問題になった本だって読むしドキュメンタリーだって読むんだよ。これを「偏書」と言います。そりゃ小中学生ならそうでしょう。でもこれ高校3年・男子だぜ?偏差値のトップから最底辺までアホになってる証拠です。

明らかに中学生・高校生は精神年齢の低下がみられます。これ90年代だと中3レベルの本です。厳しい事言うと。中3レベルの本をようやく高校3年になって令和の子は到達している。要は社会問題に誰も興味持たないという超・ディストピアって意味です。もう高校3年ともなると昔はもう大人と同じものを読んでいたんです。また「キッチン」とか「ノルウエイの森」と言った大衆文学も読むんです。平成元年当時の高校生ってそういう姿だったんです。しかも1989年当時の4大進学率って20%切ってるんですよ。圧倒的に当時の主要進路先は就職か専門か短大です。当時は専門士制度はなく専門学校に行く人は高卒扱いになるので実に当時の高卒率は60%超です。なのに4年制大学進学率57%時代の2023年の方がアホになっているのです。なんなら1970年代の高校生ともなると『共産党宣言』とかまで入っています。学園紛争って実は高校にもあったのです。それはさすがに当時の高校生は行きすぎだと僕は思うけど社会にまるで無関心ってのも病理だなと。もう一回言うけど「高校3年・男子」だからね、これ。

つまり「ソーシャル(社会性)」という部分が日本で破綻しちゃったんです。東日本大震災・リーマンショック・熊本地震・コロナと来てる危機的時代にですよ? もう大人の入り口の年齢を見ると明らかに「幼稚化」しています。

10件のコメント

  • ええええええええ〜

    まっ、マジィ〜〜〜〜

    中3で最も読まれたのは児童書。しかも『小説版名探偵コナン』や『かいけつゾロリ』
    って、、、
    ↑これって小学校低学年が読む本じゃないの?

    中3だよ〜〜
    中3なら司馬遼太郎とか三国志を読み終わって、孔子とか孫子とか読み始まる頃じゃないの?
  • マジです。残念ながら。朝読書で無理やり読まされたのかガチで読んでるのかわかりません。前者なら朝読書運動というのは「読め読め運動」で読みたくもない本を無理やり読むためにあえて低学年向きの本を読んでいる(ふり)をしていることになり本来は日本図書館協会様などが読書権の侵害ということで問題にせねばならず後者なら「読書の質」の問題で全国SLA様が問題にせねばなりません。読書というのは読書冊数競争で行うものではなく難読書(例えば哲学書)を1冊読む行為と児童書を10冊読む行為で児童書を10冊読む行為の方を評価してはならんのです。

    残念なことに一部の学校では「読む冊数」を競争しておりなんなら民間委託事業者で中学生の貸出冊数だけで評価する教委もありますからこういう行為に走る事業者もあるというのは事実です。なんなら公共図書館で身内で館内で貸出・返却行為を繰り返して貸出冊数を水増ししてたなんてのがばれた民間委託事業者も居ました。もちろん指名停止処分になりました。

    つまり『若者のライトノベル離れ』では書けない話なのですが「読め読め」運動ってのは「害」なんですよね。だから朝読書運動を行わない高校1年から急激に不読率が急増し新社会人以降の学習時間は平均6分という結果になり文芸書の売上は2008年比で40%という散々たる結果になるということですよね。

    私は2002年から「若者の読書離れを食い止めろ」とばかりに総合学習・朝読書運動で行った結果というものはいずれはこうなるだろうなってことは薄々とっくに気が付いていたし大学入試が終わったら下手すると「二度と小説なんて読むものか!」という国語・小説嫌い人間を社会に増やしただけという結果に終わったというのが現実なんだろうなと。じゃなかったら文芸書の売上が壊滅するなんて結果になって無いですよ。ラノベも一部影響を受けているかもね。
  • さ、寒気が止まりません。

    読め読め運動で無理やりに読まされた結果、
    本嫌いがそんなに増えていたとは。
  • いやだって「食え!」って言われて食います?食わないですよね。読書も同じことです。
    諸外国の朝読書運動は主に移民の子が多いから識字率の問題で行っているものです。でも日本は移民大国じゃないですよね(本当は日本もそうしないといけないと個人的にそう思いますが)。当然結果はそうなりますよね。

    読書を強要する行為って大変よろしくないんですよ。読書ってのは自発的行為なんですね。大人になったら二度と読まない。だから朝読書運動教育を受けた先頭世代になる現・30代はライトノベル離れどころか「本離れ」が起きている可能性すらある。だから文学社会学の学者は何をやっているのでしょうね。この場で苦言を申します。

    今後読書運動は乳幼児の絵本に広まります。実は……家庭教育に国が口を出すんですよね。「こどもまんなかプロジェクト」と言って。私はこの朝読書運動もこどもまんなかプロジェクトも「老人の余計なお世話な発想」のような気がしてならない。そういうことをするとどういう結果になるのかがまるで分かってない。

    こども家庭庁ってなんでしょうね。これで少子化が止まるのですかね?私には「こどもまんなかプロジェクト」が理解不能です。

    高校入試・大学入試の国語だって「テクニック」に終始してるだけでこれが就活になると「『趣味:読書』などとは言うな」(スポーツ系にしろ)って言う指導を受けるのは半ば常識ですからね。この国の教育は本当に歪んでますよ。だから今後有望な出版市場のジャンルってなんだと思います?実は絵本なんですよ。それでいいんでしょうか。その割にはOECDの学力調査で我が国の真・高校1年の読解力が年々低下しているのですが。たぶんこれが新高校1年ではなく22歳大学4年に学力調査したらたぶん悲惨なことになると思う。特に「ITスキル」という学力面で。だって俺たちはプログラム言語を組めないじゃん、明らかに日本はIT社会において不適応を起こしてます。30年もずっとね。そしてIT社会に真に必要なものは柔軟性であって「読め!」って押し付ける行為じゃないんです。

    申し訳ないけど、この国はいろんな意味で戦前に戻っていると思う。

    ※『若者のライトノベル離れ』では書けない内容です。
  • 若い子に無理に本を読めとは言いませんけど、それにしても衝撃の内容です。
    暗澹たる気分になりました。
  • 雀様

    私は表では言えないですけどこれは中学生向け児童書(つまり高度な児童書)が読まれているというのなら近況報告では両手を挙げて喜んだでしょう。しかし中3で『小説版名探偵コナン』とか『かいけつゾロリ』となるとさすがに話は変わって来て「これはいくら児童書ブームとはいえさすがにおかしいぞ」ってなります。昔だったらそういう子はいじめの対象になったかも、ぐらいに思ってます。これが中1だったらギリギリ許されるかもですが中3ってもう高校受験が目の前ですからね。そろそろキッズの世界から卒業して文字通りティーンズの世界に居る子供たちですから。

    もう中3だとラノベ読書へ移行し岩波ジュニア新書から卒業し岩波新書・中公新書を読んでても別におかしくないしジュニア新聞から一般向けの読売・朝日新聞に移って高校受験対策していても全くおかしくないです。でも新書の棚ですらもう後期高齢者専用みたいな内容ですからね。こっちもこっちで深刻です。たぶん新書も中高大学生から見放された可能性が高いです。

    本当は本を読んでるふりをしているだけで、実際の中3・男子は「モンストやろーぜ」・「原神やろーぜ」みたいな光景が現実なのかなと。つまり朝読書運動のせいで余計に本が見捨てられた可能性がある。気が付かないのは大人……それも50代後半以上の大人だけ。それだけ日本って国は老いちゃったんだね。だってこれおじいちゃん・おばあちゃんの発想だもん。子供に向かって「本を読みなさい」という奴は。つまりここ25年の教育の成果は失敗ですよ。たぶん。
  • るしあん 様

    ギリギリZ世代ですね。α世代じゃないです。(本当は米国の世代概念である「Z世代」という用語は使いたくないのですが。日本人にとって9.11以降・以前とかどうでもいいので)。Z世代はもう16~26歳ですね。まもなく30歳に突入します。

    で、たぶんですが皆様にもお伝えしましたが中3・男子にとっては「むりやり読まされている」可能性が高い。よってサイレントレジスタンスみたいな行動を今の中学生はしれっとかつスマートに行っている可能性が高いです。中3・女子は朝読書で割と自分の好きな本を読んでいる可能性が極めて高いです。だって『人間失格』(太宰)などもランクインしているので。年齢相応の作品がちゃんと読まれています。

    でもだからといって中学生全体にラノベが支持されているかと言ったらノーです。本当に本好きの子供が中学生用児童書に一部流れていて残りの中学男子の大半は無料ゲームの話と漫画・深夜アニメの話題をしている可能性が極めて高いです。

    「可能性が高い」ってのは「それってあなたの感想ですよね」って某誰かさんに突っ込まれるからで私の体感でしかないからです。つまり証拠がないのです。

    自分の体感を統計結果も無しに『若者のライトノベル離れ』に書くことは許されないと私は思っております。
  • 高崎レイナ 様

    我が国の電子書籍市場は本論でも記述したように89%が「漫画・コミックス」です。電子で小説を買う人はまず非常に珍しいです。ちなみにたぶんですが電子書籍は「カウントされていないはず」です。頭が昭和の人達で統計調査しているので。これも「表」では言えないですが。そういうのは「ファミコンやってる行為と同等」扱いなんですよ。残念なことにね。

    そしてこれも「若者のライトノベル離れ」では言えないんですけど小学校の不読率10%、中学生の不読率20%って「朝読書マジック」に過ぎず朝読書分を抜くとたぶん月1冊すらも本を読んでいる子はほぼおらず激減するでしょう。じゃあ、なんで空前の児童書ブームなんだよって事になるんですが学校図書館に予算が下りるからです。だから児童書の制作環境もよくて好循環しやすい。だから児童文学ジャンルで良作が出やすい。でも読書ガチ勢って小・中学生でもせいぜい10~20%じゃないかな。

    まして「親が決めた本を読まされている」って言葉は申し訳ないけど毒親ですよ。これが新興宗教の家庭だったら目も当てられない。あと中学受験で虐待する親とか。それは自覚してないのかもしれないけど子供の思想信条の自由に踏み込む行為で立派に虐待なんです。

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    読書権っていう基本的人権は日本国憲法に記述される「思想・表現の自由」という非常に重いものに関わるもので朝読書なんてはっきり言うけどしちゃいけないんですよ。なんで終戦直後のGHQが朝読書を禁止にしたかというと戦前の昭和の朝読書運動は軍国主義教育に利用されたからです(それどころか当時のGHQは教科書・軍国主義の本を墨で塗ったんですよ)。そういう歴史を我が国は忘れちゃったんだね。朝読書運動って本当は怖いのよ?

    では今の諸先進国はなんで朝読書運動をしているのかと言ったら例えば移民したてのヒスパニック系の子供に英語で絵本で勉強させるといった「識字率向上」という彼らがまともに生きるためにやってる学習行為で思想信条の自由よりもさらに優先させる「学習権」に関わるから。もっと言うと例えば英語圏の国で英語が出来ないと生死に関わるから朝読書をやっているだけ、なんです。でも日本はそういう欧米圏の特殊事情を抜いて朝読書しているから「害」でしかないんだ。
  • なお、皆さんにもお伝えしますが戦後でも昭和30年代ごろに長野県で「早寝・早起き・朝ごはん・朝読書」という読書運動をよくやった地域があったんですけどほかの県では批判されたんですよ。よく言えば当時の長野県は教育県。でも逆に言うとこれは教育虐待なんだよ。おかげで本は自由に読むものだという基本理念が当時の長野県民から抜けちゃったんですね。当時の長野県で教育を受けた子は特に。しかもこういう行為は婦人会・自治会中心運動だったから「悪書追放運動」にまで繋っちゃったのね。何が悪書で何が良書なのかなんてはっきり言うけど子供が決めることで全然「民主主義」とか「自由主義」というものを日本人は戦後でも理解出来なかったんですね。残念なことにね。

    だから今でも地方にないかい?
    「悪書追放ポスト」って置物が。

    もう一回言うけど「朝読書運動」ってのは本当は怖いものなんだよ。だから当時の中学生はそういうものと戦ったことまであるんだ。なんせ当時は学園紛争の時代でもあるので。本当はそういう学校史を朝読書で読むべきなんだ(失笑)
  • 高崎レイナ 様

    念のために。『学校読書調査』は電子で本を読んだか、という調査項目はあります。ありますがおそらく「ケータイ小説を読んで居る者」と同じ扱いのはずです。なぜなら文芸書での電子出版をNGとする出版社様があまりにも多いからです。

    「はず」ですので間違った情報かもしれません。ご確認いただけたらと思います。

    ※ケータイ小説なんてもう2005年頃のブームなのにやっとここ数年になって調べ始めています。
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