平沼 辰流

【第7回私立古賀裕人文学祭応募作品】ダンス前夜。戦闘機「ダート」を目にして、ふたりの整備兵たちはこれまでの兵器との付き合いを振り返るのだった。

彼女と喧嘩した。後悔しても終電は目前。決めなければならない。

告白されて付き合った彼女は、ハードディスクのような外付け式のこころを持っていた。好きも嫌いも彼女の中にはなく、かばんの中のマシンが判断したもの。そんな台本通りの恋愛に、付き合うふ…

数世紀先の地球。戦禍から残った世界にはサイボーグ化した人間だけが生き残っていた。 傭兵のナトは、とある事件に巻き込まれてから過去の幻覚を見るようになる。 唯一の手がかりは被害者の…

自分だけ無限に大晦日を繰り返す「僕」。 スマホの中ではVtuberのカウントダウン企画が無限ループし、床には破り捨てたカレンダーが溜まっていく。 することもないのでVtuberに…

今は草木に覆われた、遠い未来の世界。 そこに存在しないはずの”人”が現れた――のだが、この話では特に関係ない。トラブルとはいつも起こるものなのだから。花人のスズキは学園の研究班と…

地球の一日が24時間30分になった程度の未来。 人間が去ったあとの世界で整備任務に従事する黒猫型ロボットのクォータは、最後の『人間』に育てられた人工知能だ。彼はある日、流れ星にな…

ふたたびの暗黒時代はやっとこさ終わった。 暴走を続ける古代兵器に対抗するべく、人類は発掘技術を導入したパワードスーツ『ＯＲＢＳ』を開発。次世代戦力の養成のために各地に訓練校を作り…

並行世界、日本。核戦争によって不毛の土地と化した関東平野は、馬賊が闊歩する危険地帯となっていた。 政府軍に所属する傭兵の少女は、迷い込んだ街でひとりの少年に助けられる。時を同じく…