それは昨年の秋頃の話でした。
「lagerさん、○○の鍵持ってます?」
職場の子からそんなことを聞かれました。
「私は持ってないけど……」
「ないんです」
「え?」
「ないんですよ。どこ行っちゃったんですかね」
「えええ……」
咄嗟に脳内で自分のその日の行動をシミュレーションし、(大丈夫。今日は私触ってない。昨日は休みだった。失くしたのは私じゃない)と自己保身に走りつつ、
「最後に使ったの誰でしたっけ」
と犯人探しをしようとする子を宥め、(だって、記憶にないだけで私が失くした可能性だってある)
「ま、まあまあ取り敢えずみんなで探そう」
と、職場を這いずり回ってどうにかこうにか問題の鍵を見つけ出しました。
その鍵、一日の業務中使うのは一回か二回くらいなんですけど、当然無いと困ります。ただ、鍵のサイズが小さい上に特にキーホルダーみたいなものも付けてなかったので、
「また失くすといけないから何か適当に持ってくるよ」
と、キーホルダーをあつらえることにしたわけです。
ただ、家にそれっぽいものはないし、わざわざ雑貨屋に行くのもなぁ、と考えた私は、よく行く中古ショップ(豊富なクレーンゲームを備え、いつなんどきも子供たちが駆けずり回っている)のガチャガチャで何かいい感じのものを探すことにしました。
いやあ。めちゃくちゃ種類ありますね。
今まで意識することなく視線の端を通過するだけだったんですけど、ちゃんと見てみると凄い色んなガチャがあって驚きました。
とりあえず、職場で使うやつだからアニメのキャラとかはまずいかと思い、猫が丸まった可愛いデザインのものをその時は買った(回して手に入れた?)んです。
そして数日後。
まあ、嵌っちゃいましたよね。
もう必要もないのにガチャガチャが置いてるとチェックする癖がついてしまい、あれも可愛いこれも面白いと物色するのが趣味になってしまいました。
そして、最近お迎えした子たちがコチラ。
撮影、私。
今、職場の片隅をガチャガチャからやってきた動物たちが占拠しつつあります。
「lagerさん、なんですかコレ」
「かわいいでしょ」
「かわいいですけど……」
「かわいいよね」
「…………」