小説「YSL」は、小説「hako」と同時期に書かれたものです。
hakoは事実に基づいた私小説ですが、YSLは完全な空想です。
当時、長編を書いた後に、調子に乗って短編を書きました。
物語の展開に無理がありすぎるのですが、その辺りは若気のいたりですね。
もう随分と昔に書いたものですが、当時の自分の企図を思い出しました。
私は、長編の純文学を書いたのち、短編のミステリーちっくなものを書いてみたいと思って書いたのでした。
また、hakoでも書いたのですが、キャラクターが動き出す、あの感覚が楽しくて、短編の中にも様々なキャラクターを登場させています。
キーとなる女性は数名しかいませんが、私が一番好きなのは、最後の方にちょろっとだけ出てくる「ナタリー」です。
主人公像もヒロイン像も、基本イメージはhakoと同じです。
難しいのは、自分を脱却して、違う人物になりきること。
私にはそんな真似はできません。素人だから。バリエーションなんてありません。
先に書き始めた、不倫ものは途中でストップしています。
なかなか難しいのです。自分が感情移入できないからです。
それでも、創作意欲はあります。同じく生きているうちに書き上げたいと願っています。