荒ぶるデウス
これが古くて正確な音です。荒ぶるとは嵐に転じる言葉で、その時まではゼウスは下っ端な神でしたが、デウスと融合して、暴風の神ゼウスと呼ばれます。
全知全能というくだりは、もともとデウスの称号で、ゼウスのことではありません。
ギリシャ神話では、この時代からゼウスが別人みたいになります。
全知全能と呼ばれる人は基本的にカナン語を使いますので実はわかりやすい。ギリシャのトロイア戦争って世界中から軍隊があつまるのですが、みんなギリシャの古代語を使っているのが言えば、そんなはずもなく公用語がカナン語になっています。
この辺りはギリシャ文字やフェニキア文字を調べれば、どちらもカナン語をコピーしたよって言ってますのでこの辺から明らかになります。
仏教でもアーリア由来の経典だと最初に全知の人に礼という文句がつきます。この仏教の古い経典はサンスクリット語と言われますが、正常に読めなくなっています。これはインドの人にはよめない外国語なので、それを読むためにサンスクリット語を開発したのですが、結局言語が違うので正常に読めない状態です。
もともと仏教の経典は仏陀以前のものになると、カナン語で作られています。カナン語をインドに人に聞かせると、インドの人はそれをサンスクリット語と言いますが、言語が違うので、内容はほとんどわからないという状態ですね。
で、このカナン語で作られた経典ですが、退魔の力を持つと伝承されます。その経典を読むと、荒ぶるデウスの言葉が記されます。この荒ぶるデウスはアヴァロキデウスヴァオーディンサントヴァという音になりまして、観自在菩薩と中国語で翻訳されています。
この人の言葉には退魔の力があるというわけです。この悪霊を退ける下りは敦煌に伝わる伝承です。玄奘三蔵が般若心経を教えて貰って、それをサンスクリット語で唱えると悪霊が近づかなくなったというあれです。(中国語に翻訳したものではないというところが実は重要です)
結局のところ、キリスト教で主の力や印を示すことで悪魔が退治できるのですが、主の言葉でも悪魔を退治することができるということですね。
北欧神話のほうは、神と悪魔の決着がつくまえにラグナロクで民族移動していますので、オーディンが悪魔を退治するという伝承が出ません。むしろオーディンがどうなったかわからないという終わり方になります。
そう言う人が、ついに人の前に出たというところが今回のお話しです。以前に出たときって、気絶寸前のシェズが夢かと思っていただけで、誰も見て居ないのですよね。
で、この後の展開ですが、有名なエピソード、エクソダスになります。敵はこの時代最強の軍事大国です。