演技の上で『自己肯定感』は重要。
現場で自己肯定感の低い方の演技を観ていると、押し並べて芝居が小さく、演技の幅が非常に狭い気がします。
自己肯定感が低いと、「これはやっちゃダメだ」とか「自分の演技なんて大したことない」と無意識に考えて演技に『自ら』制限を加えている状態になっちゃう。
制限や制約は、台本に書いてあるし、世界観からはみ出たら監督さんや演出家さんが注意して下さるので、本来自分の演技に自ら制限をしない方が、より自由に、よりリアリティのある演技が出来るのではと思います。
自己肯定感が低いことによる一番の弊害は、自分自身ですらも触れることのできない、自分の本質的な部分、『潜在意識』が仕事をしてくれなくなる事です。
自己肯定感が高い、つまり自分自身が自分という人間を認め、愛し、信じている状態になると、頭で考えずとも潜在意識が台本や相手の方の芝居に合わせて、適切なタイミングで適切な感情を提供してくれるようになります。こうなると無敵です。敵無しです。
じゃあどうやったら自己肯定感って高まるの?というと、その唯一にして最高の方法は、『自分で自分を褒めること』。
明確な成功体験なんて必要ありません。例えば、朝起きて鏡を見て、「寝癖すげーな。それに気付いた自分偉いな」とか、「コーヒー美味しいな、そう感じられる自分ってすごい」などなど、他の人から見たら大したことないことでも、とにかく自分を褒めてあげる。
それを1日三回、言葉に出さず、心の中で唱えるだけ。続けてるうちに、『あれ?もしかして僕出てきても大丈夫なのかな?』と、自分自身の潜在意識がひょっこり顔を出します。それをずーっと続けると、『僕に任せて!なんにも考えないで演技していいよ!』と潜在意識の方から勝手に動き出してくれます。
僕の先生は、この潜在意識をスタジオジブリさんの名作、トトロに例えて説明して下さいました。
めいちゃんがドングリを追っていった先に、トトロをみつけたように→好奇心やワクワクを追っていった先に、自分自身の潜在意識が存在するんだよ、ということです。これは本当に大切なことです。
『とにかく自分を褒めてあげること』、『誰からなんと言われようと自分は自分の味方だ』と意識するだけで演技は変わります。
楽しんで演技することに勝ることはありません。
そうするといつか、『アスファルトに咲く花』にも感動できる岡本真夜さんのような方になれるはずです。
きっと演技だけじゃなく、心が、人生が豊かになりますよー!