話題の本。
滋賀の膳所を舞台に、ちょっと変わった少女、成瀬さんの中学から高校までの物語。
「島崎、私はこの夏を西武に捧げようと思う」
から始まる成瀬の話が、島崎という幼馴染の親友を通して語られます。
これ、かなりインパクトのある出だしです。引き込まれました。
主人公は成瀬ですが、島崎の的確な表現がツボでした。
濃い目のキャラクターである成瀬を、凡人としての視点で見る島崎の視線が、成瀬愛に満ちてて、最高に面白いのです。
全体の構成は短編連作形式。
第一話と第二話は島崎の視点で成瀬の行動について語られます。
その後、別の人の視点で成瀬が絡んでいきますが、最後は三人称一元で成瀬視点の物語になります。
これがちょっとだけ不服。
何故、最後まで島崎視点じゃなかったのかなぁ。
ボクの島崎愛がとまりません。
ボケとツッコミで構成された場合、ツッコミ視点が読者視点になる重要性の勉強になりました。また短編連作でも視点はそのままのほうが良いのかもしれないですね。ボクも昔やったことがあるけど。読者は視点のキャラで世界をみたいのかもしれない。
あー、面白かった。ゲラゲラ笑いました。おススメです。