初参加の第七回こむら川小説大賞と幻想生物フェスタに投稿させていただいた、1作目「弟を看取る」について、書いている最中に何を考えていたのかをまとめた独り言です。
幻想生物フェッチのモデルは、読む方が読めばすぐに分かりますが、フェレットです。フェレットの別名がフィッチなので、そこを文字りました。
フェレットをモデルにすることを先に決めて、フェレットっぽい幻想生物として、だいたい「土属性、宝石を持っている、耳がウサギっぽい」くらいの、あまり詳細が決まっていないカーバンクルを先祖として練っていきました。と言っても、性質などはほとんどフェレットです。
弟であるホーイチは私自身が飼っていた3匹のフェレットがモデルで、闘病生活についても体験したことをモデルにしているので半分私小説です。実際に「ねえちゃん」を名乗っていました。お世話になった獣医師にはお母さんと呼ばれていましたが。
獣医師がホーイチを「ホーイチちゃん」と呼んでいますが、本当にうちの子を「〜ちゃん」と呼んでくれた信頼できる主治医がモデルです。
幻想生物ではあるけど、あくまでただの生き物であることを意識しました。「人間依存の生き物で野生下では暮らせない」ことや「実は病気になりやすい生き物である」のに「診察や治療をしてくれる病院が少ない」ことをフェレットの現状からそのまま引用したのはこのためです。
作品内の「私」はホーイチの存在に人生ごと救われていくのに、ホーイチを苦しみから救ってあげたいと手を出したい時期には、こちらがやってあげられることが少なすぎるのです。
先述した通り、体験を元にしてるので思い出してひとりボロボロ泣きながら書きました。
大きさの比較にドラゴンを出しました。ドラゴンがなりやすい病気は、どんなものになるんだろうと考えたりもしました。やっぱり爬虫類がなりやすいものなんでしょうか。鱗のカビ、脱皮に関すること、温度や湿度、タマゴ関係とか? 超大型になるとどんな飼育環境になるのかなーと。
フェッチと同じ幻想生物と言っても、幻想生物が愛玩動物になっている世界線でもドラゴンは人気種だろうし、診察してくれる病院も病気の治療法も、もしかしたら多いかもしれません。その反面「ドラゴンだから人間には無理」と言われることもあるかな、と考えたりしました。
幻想生物だけども小さい命。小さいけど、そこからもらえる楽しい時間とあたたかさ。これは種族関係なくペットを飼ったことがある方なら、尚更共感いただけるのでは、と思っています。
ペット寿命も延びていますし、どんな種類の子も長生き出来る世界が早く来ないかなぁと願って止みません。
読んでいただいてありがとうございました。