またまた僕ごときが、というのもありますが、物語の構成について書いてみます。
▼前提
僕が主戦場とする、賞応募向けのファンタジー長編を対象とします。
ウェブ小説と、10万文字強で終わらせる応募用の長編とは、かなり違うと思います。
▼三幕構成などについて
一般的な作劇法の知識はあった方がよいと思います。
けれど、この手のものは映画を前提とした作劇法が多いので、僕はこだわりすぎない方がよいと思います。
▼作劇法に引っかかっていた時期
二、三年ほど、作劇法の知識が足りないんだと考え、プロットを細かくしては書いてみて、イメージと違って挫折する、ということを繰り返してきました。
ある程度作劇法を使いつつ、あえて、荒い段階で書き始めるようにしたら、調子がよくなってきたので、その辺りを書いてみたいと思います!
(とはいえ、エピソードや章を書く直前は、しっかり、短い範囲の構成を作っています)
▼映画と小説の制作コストの違い
映画の制作コストは非常に高く、失敗が許されません。なので、役者を動かす前にシーンを落とし込む必要があります。
一方で小説は映画に比べれば制作コストが安いので、トライアンドエラーが可能です。
したがって、小説については、とりあえず書くっていうアプローチが取りやすい面はあると思います。
▼思考の固着化
作劇法を前提にしすぎると、高レイヤーの思考が固着する気がします。
メタフィクションが強めな展開や、『オムニバス形式の方がよいかも』みたいな発想が薄まりそうで。
あるいは叙述トリックなどの、叙述自体の可能性が限定されがちな気がします。(僕の場合は)
なので、メジャーな作劇法で伸びる話かどうか、考えてから当てはめるようにしています。
わりと、一本線の物語でない作品が、世の中にいろいろ存在しています。
ライト文芸周りだと、たまに四つの連作中編みたくなっていたりしますので、これだと、全体の持って行き方が根本的に変わってくると思います。
新人賞受賞作品なども、ファンタジーなのに叙述トリックを入れて、真ん中から完全に別ジャンルにしたりとか。いろいろありますね。
オムニバスや連作もののまとめ方は、別で私見をまとめてみたいと思います!
▼ハコガキ
映画の脚本だと、最終的にハコガキを作ると思います。
シーンや会話が細かく書かれた、シーンのシミュレーションみたいなものです。
小説だと、ハコガキを作らないとしたら、本文がハコガキに当たると思います。
ハコガキまで書くなら、シーンのイメージを高められますが、プロットくらいの粒度だと、正直、書いてみて、はじめてわかることが山ほどあります。
なので僕の場合は、おおまかな構成を決めたらいったん書いてみて、もう一回構成しなおしたりしています。
(三幕構成レベルはやって、プロットは細かくしすぎないくらいが、僕としては一番おもしろくまとめられています)
最近だと、書いていくうちにチラッと登場した小物が、クライマックスを大きく変える存在になったりしました。
具体的には、滅びの国の魔女紀行という自作品でこの経験がありました。
作品の世界で『女神を象徴するシンボル』が、書いているうちに序盤でなんとなく登場しました。
最終的に、作品すべてを収斂させる、クライマックスでもなくてはならない象徴に発展していきました。
この手のものは、僕の力では、プロットの段階ではなかなか顕在化させられないですね。
書いてみて湧き上がってくる要素は、書き手の潜在意識や自然な思考と密接であり、意外と重要なものかもしれませんね。
とりとめがないですが、こんな感じになります!
もし作劇法やプロットで行き詰まっていらっしゃる方がいたら、なにかの参考に、、