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掃除屋と黒猫と王室のタネとしかけ 雑感(登場人物について)

 掃除屋と黒猫、という設定は自分が高校生の頃に思いついたものだったと記憶しています。
 長身に銀髪でサングラスをかけたちょっと不良っぽい見た目の年齢不詳の男と、小柄で可愛いけれどちょっと不気味な無邪気さを備えた真っ黒な少年、このビジュアルが最初にぽんと浮かびました。
 次に浮かんだのは容姿端麗な少年で、彼には顔に似合わぬちょっと薄汚れたかっこうをさせたいなと思いました。油や煤に塗れているような、職人ぽい感じがいいなと。
 そしてそんな三人にトラブル続きの旅をさせたいなと思ったのが、この物語を書こうと思った発端でした。
 この先、三人で旅するのかそれとも灰次とカラーふたりきりなのか。その辺りは、また。

 さて、今回登場した主なキャラクターについて、ひとりずつ簡潔に紹介していきたいと思います。


※こちらを本編より先に読むとネタバレがあるのでご注意ください。


藤堂 灰次(とうどう はいじ)
 主人公。もう少しキャラ立ちしてもいいんじゃないかな。不愛想で根が不真面目そうな雰囲気を醸し出しつつ、たぶん、この作品の中でいちばんまともでいちばん常識人だと思う。ただ、国教信仰心がない。そこだけがちょっと異端。生まれはジャッシュではないので、そのせいかと。

カラー・カッツェ
 黒猫。灰次のペット。猫じゃなくて少年じゃん、と自分でも思う。どの辺が猫なのか。どちらかというとご主人に忠実な犬っぽくないか。クルス教の女神の化身が聖なる白猫、それと対になる存在としての不吉の象徴である黒猫。カラーは首輪、カッツェは猫という意味。

ロイ・エルファ
 職人。手先が器用。職人さんは自由で強くて、わりと頑固で粗暴なかたたちも多いのだけど、この少年は良家の育ちっぽい、品の良さがある。でも貴族だったら国教信仰心も培われているはずなのに、そういうものがない。ちょっと謎を残して終わる。卓上旅行とか好きそう。本当に好きかは知らない。

バージ・アルクルス
 世捨て人。を気取っている感じのおじさん。じじくさい感じがするけれど、いくつなんだ。元騎士団の小隊長なので、腕は立つ。得物はレイピア。腕っぷしもそれなりだけど、情報戦に強い。どうして小隊長までいったのに騎士団を辞めてしまったのか。ある事件で失脚ってなんだ。

セツキ・トウカ
 節気商の現店主。節気冬夏。父親はハルアキ。春秋。わかりやすいネーミング。骨董品とか日用品とか情報とかいろいろ売っているお店だけど、結局、何をやっているのかよくわからない謎の店。裏の顔はズー・ディアという私設軍隊みたいなものを運営している。資金源はなんだろう。情報屋がいちばん儲かるんだろうか。

伊勢 十九郎(いせ じゅうくろう)
 ジャンク。スキンヘッドだったりモヒカンだったり坊主頭だったり、髪型がコロコロ変わる。ピンク色が好き。ハリロクの工房にいないのは、別に職人たちと仲が悪いからとかではない。王都にいたほうが珍しい機械とかバイクとかをいじれる機会が多そうだなって思ったから独立して王都に出店したとか、そんな理由。

シーザ・エリアル
 国王陛下。まだ少年と青年のあいだくらい。もともと灰次のことは、お父さんの知り合いで面白いお兄ちゃん、くらいにしか思っていなかった。今もそんなに認識は変わっていないが、頼れる腕利きの仕事人、という要素がプラスされているので、相当な信頼を置いている。王国印所持者とはいえ一介の掃除屋に対して心許しすぎでは。

アヤセ・ジュオール
 シーザの側近。シーザの良き理解者であり、ときにはきちんと叱ってくれる兄のような人。本当に兄だった。本来であればエリアルを継ぐはずだった者。三が日の儀などという厄介な風習がなければたぶん彼がシーザ・エリアルだったろうし、そうなるときっと今のシーザは生まれていなかった。無私献身の生涯を送った青年。


 アルジュやグェン、リャンやミルなどについても、いつかきちんと紹介したいところではございますが、今回はこんなところで。

 掃除屋と黒猫の物語まずはひとつめ、お読みいただきまして、ありがとうございました。


こたみか

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