掃除屋と黒猫、第2作となりました。
今回も更新が遅く、しかも前回より長かったのでお待たせしてしまいごめんなさい。応援くださったみなさま、ありがとうございます。
※こちらを本編より先に読むとネタバレになるかもしれないのでご注意ください。
前回ちょっと謎を残して終わったロイについてのお話です。
もともと、ロイの出自は二作目で描くつもりでしたが、一作目を読んだ方からロイの正体について「わからないままなのか」とご感想をいただきました。鋭い!
ロイについて気にかけてくださって、ありがとうございました。
消えた子ども、というのは前作とちょっと被りますね。後悔と優しさに満ちた嘘。そこに、嫉妬と怨嗟というものが残ってしまったのが、今回の事件の発端です。
今回は序盤からいきなり国境を超えました。農業大国コルテ王国。首都はコガド・シティ。コルテ王室はアグリコという血筋で、現在は若い女王が国を治めています。若いといってもシーザよりは歳上です。
この国は昔は閉鎖的な田舎だったのですが、ニ代前の王が夭折したため、若いうちに王位を継いだペシェの父である先王が観光立国を掲げ、開放的な国を作ろうと改革を行いました。
先王は娘にあらゆる知識を与え、経験を与え、コルテをさらに成長させるために教育を続けてきました。そして自身は早めに退位し、若く革新的な国家政策を期待して娘に国を託したのです。
結果、父の意志をしっかりと継いだ彼女は、コルテブランドを世界的なブランドに成長させることに成功しました。また、農園や豊かな土地を観光資源として利用し、国外からの来訪者を増やしたことで、果物生産以外の財源もしっかりと整えたわけです。英才教育の賜物ですね。隠居している先王もさぞお喜びでしょう。
シーザも、他国の王と比べて比較的年齢が近いので「クイン・アグリコ」と呼んで彼女を慕っています。良き隣人であり、若きジャッシュ国王の手本ともなる相手。それがコルテ王国であり、ペシェ・アジェンダ・アグリコ女王陛下です。
砂漠の国ジャッシュは大陸の真ん中あたりに位置しているので、コルテ以外にも水の国マールや氷の国ベガリム、火山の国タケイチといった、接している国がいくつかあります。今後また登場するかもしれません。
それから、国内でも新たな地名が出てきました。ナーシャ・タウン。長閑な国境の町ですが、国家の研究施設がある学術都市でもあります。この話はまた、いずれ書きたいと思っております。
町の成り立ちや術師の歴史、それから名前だけ出てきたアルツトという人物。メイディ師長、と呼ばれていましたが、自分ではわりと好きな人物なので、そのうち出てくると思います。というか出したい。
前回から名前だけしか出てこないのにインパクトのあった桐生院世界師匠も、さらっと登場しました。結構なおじいちゃんでかなり腕のいい職人さんですが、ほとんど工房にいません。すぐどっか行っちゃう。まあ、それも、留守を任せている弟子たちへの信頼あればこそ。
常に世界を見て、より新しいものを目指していく。桐生院工房はもちろん、ハリロクの多くの職人たちからも慕われています。
この続きも、書けたらいいなと思っております。
そのときはまた、お付き合いくださいませ。
今回もお読みいただきましたみなさま、ありがとうございました。
こたみか