第二章「To Be with You」はMR.BIGの同名曲がありますが、本章の内容は異なります。ただ、同曲では訳する人が異なると表現がことなる面白いフレーズがあり、そう言った意味では第二章は、読むタイミングで、解釈が異なるかなと思い、そのまま「第二章:To Be with You」と
させて頂いております。
その面白いフレーズというのが以下です。
「Waited on a line greens and blues」
こちら、翻訳される方によって表現が色々で、例えば...
・嫉妬や悲しい気持ちでまっていた
・やきもきしながら待ってたんだ
などとニュアンスは変わらないのですが表現(言葉)がだいぶ異なります。
実はこのフレーズですが、「Mood Ring」というオモチャの挙動をなぞらえているそうで、緑はenvyつまり「妬みや嫉妬」、青はdepressionつまり「憂鬱や意気消沈」とのことでした。MR.BIGのEricのセンスに脱帽なフレーズです。
さて、本題の第二章ですが、主人公の一人「アッシュ・グラント」と物語最後のシーンで意思を確かめ合う可能性のある人物が総出演いたします。この中から最後に「To Be with You」あなたと共にある、あなたの味方である、と言葉をかわし手を取り合う人物が残ります。
・アークレイリ王国貴族の令嬢
・謎多き吟遊詩人
・白銀の魔女
・色欲の吸血鬼
・突如世界に姿を現した黒髪の娘
この座組が一先ずの落ち着きを見せるのは第八章「Somewhere I Belong」でアッシュ・グラントが自分の居場所を見つけ出すのですが、第九章「Still Waiting」で自分の置かれた状況の「嘘」や「矛盾」を知り、この座組みが密かに崩れてしまいます(その詳細は第十章「Killing Me Softly With His Song」で先に挙げた五名がアッシュを通じて感じた自分の内面として語られます)
と、第二章は短い章ではありますが、物語最終まで余韻を引っ張る章となっております。
拙作「Killing Me Softly With His Song」と同名の曲に姿を置く女性と同じように、ここで登場する五名がアッシュ・グラントへ抗い難い魅力を感じ引き込まれて参ります。