『無世界物語』の制作裏話です。ネタバレがありますので、ご注意ください。
『無世界物語』は、「もしも異世界に、一つだけ物を持っていけるとしたら?」というアイデアから始まりました。
これはいいアイデア、と思っていたのですが、後々調べてみたら、Web小説界隈ではよくある感じのもののようでした。
とは言え、書いているうちにどんどん逸れていったので、問題なし。うん。
以前、近況ノート(二〇二三年九月十八日 タイトル:『ぐるりん』)で書いた、書いている途中で、ぐるりんっと方向性が変わってしまい、自分でもアワアワしていた小説、というのは、この『無世界物語』のことです。
当初は普通に、主人公(想)が少年(アーロ)と共に、失踪した妻を探すだけの話になる予定だったんです。
実は妻はアーロで、マノクの法則が見つからないから、持ち物を限定させて異世界に引き込み、色々と危ない目に遭わせて、法則を暴き出そうとした、みたいな。(実際、完成版で、アーロは、それに近い目的があったと書いていますが。)
でも、鍵なんか持ってきちゃったしな。これで、どうやって冒険すんの? と、行き詰まっていたら――。
想が、アーロのパパになってくれたんです。
そこで、ガッと、流れが変わりました。
それより後のことになりますが、ラストも、大きく変わったんですよ。
初めは、アーロの一つ目のメッセージで終わる予定でした。
あぁ、この小説は私(読者)にアーロが残してくれたもので、私は知らない間に、アーロと旅をしていたんだ、という。
でも、それだと、「よくある、小説と現実世界に繋がりがあるエンドね」って言われるなあ、と思いまして、付け足しました。
付け足した部分は、多少カオスかも、とは感じているのですが、色々と考察しがいがあるエンディングにできたのではと考えております。
では。(急)