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高階唯よ、永遠に・・・ ※本編読了後、お読みください

 皆さんこんにちは、吉太郎です。
 さて、長らくお待たせ致しましてようやく『高階唯』という存在を巡る話に一応の区切りを付けさせていただきました。
 正直、これを読まれた方は「一体どういうこと?」と思われるかも知れません。『高階唯』という存在とは何か。この物語の核心について少しだけお話しさせてください。
 
 人間は時に、現実の苦から逃れ自身の世界へと逃避しようとします。その世界は様々で、例えば好きな物を好きなだけ食べるとか、好きなだけ寝るとか、好きな人に会うとか、はたまたゲーム・漫画にのめり込むとか。要は好きなことしかやらないリラックスタイム、何者も寄せ付けない自由空間に一時的に逃げ込んで、現実から目を逸らすわけです。
 多くの人はその世界での暮らしをある程度楽しむとまた現実へと戻っていきます。だって戻らないとお金は貰えない、単位は貰えない、居場所を貰えない。人間としての「資格」を失わないためにも彼らは現実に戻らざるを得ないのです。
 ですが一部の人は、現実に戻ることを拒み自身の世界に籠もる。これが所謂「引きこもり」というヤツなんです(あくまで私の解釈)。彼らだって別に好きで籠もってるわけではないんです。単に現実が厳しすぎるから、この世界の居心地が良すぎるから、戻ろうとも戻れないんです。
 高階悠人という人間も自らの世界に籠もり出ることを拒んだ。でも両親や佐々木さんという善き人間によって彼は世界から抜け出しました。彼にとってはとても良いことで彼自身も現実に適応できている自分を誇らしく思っていました。でも、彼は良くとも、彼が作り上げた世界は彼が出て行くことを許さなかった。
 彼はもう戻りたくなかった。職を失った今、このままではまたあの世界に籠もるしかなくなる。そう考え命を絶った。しかし、彼の世界は彼という楔がなくなったことで世に放たれてしまいました。

 これ以上は何も言えません。というか言い過ぎてしまった感はあるのですが・・・。
 とにかく、『高階唯』に関するお話は一応終わりです。ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。吉太郎の今後の作品にご期待ください。

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