「カミーユ、少し痛いですが、我慢してください。範囲回復魔法を貴方に付与しておくので、貴方とブロワ君の痛みはすぐに収まりますから」
私はカミーユに魔法をかけ、校舎に入っていこうとするブロワ君めがけてぶん投げた。
「うわああああああああ!?」
カミーユは悲鳴を上げながら、放物線を描いて飛んでいき、無事ブロワ君に命中する。
「し、師範!?」
隣で呆然としていたマリィは、遅れて驚愕の声をあげた。
「大丈夫ですよ。私は父から回復魔法を一通り習っています。ですので、カミーユもブロワ君も無事ですよ」
「それも気になるけど……ってそうじゃなくて! どうして投げたの!?」
「すこすこ流、上のすこの章、第5節、『女の子は空から降るもの』をやってみたまでです。この教えは、特別な出来事は女性を特別の存在にする、という意味なのですよ」
「本当に!? いや、本当に!?」
——そんな感じの物語。