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中学生編が脳内をまわる

この場合の漢字は、どの『まわる』が正しいのか。
思いついたシーンは書き記しておくことにしているので、ここに書いておこうと思います。

* * *

 リンネルくんは、私を伴って、どんどんと『森』の深いところへと進んでいく。彼はとびきり背が高いわけではないが、豊くんや私より確実に大きく、何より足が長い。私は彼に手首を服の上から捕まえられたまま、いささか小走りで木々の合間を縫って行く。

 同級生の男子に腕を掴まれているというのに、私にはときめきや照れのような感情が全くなく、むしろ「どうして?」という思いが、だんだんと『恐怖』に変わってきていた。何か声を上げなければ闇に引き摺り込まれてしまう気がした。

「り、ンネル……くん」
「んー?」
「本当に、この先に豊くんは居るの?」

 私がそう尋ねると、リンネルくんの足が唐突にピタリと止まった。彼の黒い学生服の背中に顔から衝突して、私は鼻を痛める。

「あぃた〜……」
「『林くん』って、呼んでいなかったっけ? 豊のこと」
「あ」

 しまった。彼との秘密だったのに。振り返ったリンネルくんは、月明かりを背負って表情はよく見えなかった。ただ、私は『嗤っている』と感じた。

「最初に豊の隣で君を見たときから思っていたけれど。君は『マリちゃん』にとてもよく似ているね」
「え、『マリちゃん』? 誰?」
「そうか、知らないか」

 風が私たちの間をびゅうびゅうと吹く。その拍子に、リンネルくんの手のひらが、ようやく私の腕を解放した。

「知らなくても、かまわないよ」
「え」
「どうせ、『同じ』に、なるからね」

 風が過ぎ去ったあと、月明かりに照らされたリンネルくんは、ちっとも笑っていなかった。真顔だった。私は恐ろしさが足元から駆け上がるのを感じ、彼に背を向けると、元来た道を走り出した。

* * *

こんなものを昼休みに書いていますが、八朔も食べています(お昼)。

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