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新作のプロローグ

今こればかり書いてます。
でも、まだ二万字くらい。
クトゥルフ神話とファンタジーの融合、というよりはパロディでしょうかね。
チートで無双がしたいなら神話生物になれば良いじゃん的な思考です。
本当に需要が分かってないですね。
でも、まあ、そんなものは知った事か。

以下は短いですがそんな感じの作品のプロローグです。
本文は主人公視点ですがプロローグ的なのは後世の魔術師が書いた感じです。



 吾は記す。
 
 恐るべき神、勇者の守り手、誉れ高き剣士の意を。

 古くはバルセロ国を戦火に沈め、最近ではシャーラン王国を討ち滅ぼした軍神の怒りを。

 太古より脈々と受け継がれている爬虫類人たちの神であるナグに仕える騎士の物語を。

 ナグの娘ロズワグンの伴侶、恐るべき|蛇人間《セルペニアン》の守護者、斬り裂く者、赤い刃などの名で呼ばれる古ぶるしき戦士の言葉を。

 バルセロは何故に戦火に沈み、シャーランは何故討ち破られたのか。

 ナグは永久《とこしえ》に存在する、ナグの娘も同じく。

 されど、ナグの娘の伴侶たる彼が永久に存在するのかは分からない。

 遠き異界より訪れた猛々しき軍神、数多の二つ名で呼ばれる剣を振るう神に死は訪れるのか? 人にはあずかり知らぬ事である。

 ただ、分かっているのは村や街はおろか国すら滅ぼしたのも彼であれば、それらを護ったのも彼である。

 邪神官デルアーを倒せし勇者クレヴィに剣を教えたのも彼であり、魔王となりし魔術師ジュダン=ボウと争った賢者アッシュグレイを護衛したのも彼の神である。

 出方一つで人の敵にもなり味方にもなるこの新しき神について我々はあまりに知らない。

 ゆえに、吾は記す。

 彼の神の意を。

 恐るべき|蛇人間《セルペニアン》が誉れ高き剣士と畏れ敬う軍神、|蛇人間《セルペニアン》の主であるロズワグンの伴侶たるセーシロー・カンドゥの言葉を。

<大陸歴一二五八年、暴風竜の月 魔術師イェレ記す>

訳者注釈
<前略>
この長大な物語は神との交信を成功させたとする魔術師が書き記した物である。
発表直後から時の権力者の目に止まってしまい発禁処分の憂き目にあったが、一部の者達がひそかに隠し持っていたものである。
大陸歴一六五五年の今日においてはある種の神話的冒険譚として受け入れられているが一部の者からは非常に危険視されている。
この奇怪な名前の神の観点から描かれた物語には多くの寓話が潜んでおり、それが権力者には面白くないのかもしれない。
<後略>

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