夜。
ミナミが俺の部屋に入って来た。
お昼間に召喚石のお礼をいっぱいっぱいしてあげる、と約束していたのだ。
彼女は紫色のシルクのパジャマを着ている。
いつもポニーテールの髪は下ろされていた。
恥ずかしそうにベッドの縁にチョコンと彼女が座った。
「どんなお礼をしてほしいの?」
少し意地悪く、俺は尋ねた。
「……」
ミナミは顔を真っ赤にして、指をクネクネと動かす。
小さい声で彼女が喋っている。
「なんて? 聞こえない」
「だから」とミナミが言う。
「いっぱい、色んなところを……」
彼女が顔を、さらに真っ赤にさせた。
「お兄ちゃんの意地悪。私がやってほしいことわかってるのに」
「言ってくれなくちゃわかんないよ」
と俺が言う。
ミナミは顔を下に向けて、モジモジする。
俺は彼女の隣に座った。
そして彼女の頭をぽんぽんと撫でた。
ミナミはチラッとだけ俺を見て、俺の胸に顔を埋めた。
「いっぱいお礼してあげる」
と俺が言う。
やべぇーミナミが可愛すぎて、ちょっとおっさんぽい口調になってしまった。
「バーカ」とミナミが言って、俺から離れて布団の中に潜った。
俺は部屋のランプを消して、彼女が入った布団の中に入っていく。