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私の自己紹介

 小説を読んでいると、書いている人がどんな人物なのか気になることがあります。
「どういう気持ちでこの作品を書いたんだろう?」とか
「どういう作品から影響を受けてるんだろう?」とか
 そういう情報が作品と結びついて納得できると楽しいですよね。
 そこで、もしかしたら私の作品からも作者の人格に興味を持ってくれる人がいるかも、という希望的観測に基づいて、ここに自己紹介を書いておこうと思います。
 できるだけ創作活動に影響がありそうな内容に絞って書きます。


 さあさあお立会い、手前生国と発しますは、東京の下町でございます。
 幼少時から臆病者のコミュ障で、とかく精神衛生に気を使うイヤな子供でありました。
 人付き合いを極力回避し、行動力も挑戦心も人並以下の、そんな性格は今でも根底に残っています。
 ただ、行動力がない分だけ妄想力はたくましかったようで、マンガを読むとすぐに続きやオリジナルエピソードを空想して楽しんでいました。

 どちらかといえば、あまり本を読まない子供でした。
 特に小学生の頃の読書量はかなり少なくて、マンガばかり読んでいた記憶があります。
 前述の通りに挑戦心が欠けていたので「読んでつまらなかったら時間の無駄になるかも」という不安から小説などにほとんど手を出さなかったんですね。
 ただし、一度読んだシリーズは継続的に読む傾向があったようで、「かいけつゾロリシリーズ」と、「森のねずみシリーズ」はたまに読んでいました。
 あとなぜか宮沢賢治の短編集を読んだ記憶があり、「竜と詩人」は後に影響を受けた作品です。


 中学生の頃は、かなり充実した時期であり、私が創作を始めるきっかけとなった時期でした。
 14歳の頃に、お調子者の友人に「ラノベの新人賞に応募して100万円とろうぜ!」と誘われて、ノリと勢いで小説を書き始めたんです。
 その頃の私は、長編のネタを温めながら大学ノート数ページ分の掌編をガリガリと書いていた頃で、とにかく書くのが楽しく感じていました。
 今まで空想をするばかりで出力方法を持たなかったので、文字として手軽に空想を表現できることにすっかり魅入られてしまったんです。
 ちなみに、私を誘った友人は短編すら書き上げることなく飽きてしまったようでした。

 それとこの頃、人生で最初の(そして多分最後の)恋愛を経験しているので、それも創作に多少なりとも反映されているかも。
 私の中で「恋愛=中学生」というイメージになっているのは自らの体験のせいでしょう。

 この頃に読んだ本としては、ライトノベルの「ラグナロク」と「されど罪人は竜と踊る」と、嗜む程度に「キノの旅」「バッカーノ!」「ブギーポップは笑わない」など。
 いずれも兄が買い集めた本で、何気なく読み始めて前者二つはそのまま愛読書になりました。
 ここら辺はそれなりに影響を受けているかもしれませんが、あまり作風には反映されていない気がします。
 そして他に読んでいたのが、祖父の家にあった「少年少女世界の名作文学」で、「不思議の国のアリス」「ロビン・フッドの冒険」「三銃士」「ああ無情」「八十日間世界一周」「十五少年漂流記」「海底2万里」「赤毛のアン」「アンデルセン童話」など、各国の名作をぼちぼちと読み漁りました。
 これらの作品も暇潰しに仕方なく読んでいただけなので、積極的に作風に取り入れたりはしていません。
 ただ、これらは私の数少ない読書経験の大部分を占めているので、小説という媒体に慣れる上ではかなりの意義があったかと思います。

 私の作風に大きな影響を与えた出来事の一つは、宮沢賢治の短編集を改めて読み直したことでした。
 その時に「竜と詩人」を再発見し、「こういう作風、いいなあ」と考えたことで、自分の作風というものを意識し始めました。

 中学生の頃に書いていた小説のジャンルはそこそこ幅広かったのですが、割合としては「ちょっと不思議な要素のあるボーイミーツガール」が多かったです。
 そう考えると現在と根本的には変わってないような気がしてきます。
 長編の構想は2本あって、片方は前述のラノベ2作に影響を受けた剣術バトル小説、もう片方は妖怪擬人化のラノベでした。
 どちらも完結せずにお蔵入りしました。


 高等専門学校に在籍していた5年間は、創作活動に肩まで浸かった実り多い時期でした。
 文芸部に所属していて定期的に発表の機会があり、愉快な同好の士たちと共に創作に励んでいたのです。
 創作環境としてはかなり恵まれていたと思います。
 高校生向けのコンクールに作品を発表して入賞したこともあり、この頃から「自分には文芸しかない」と強く考えるようになっていきます。
 しかし反面、この5年間という長い期間は、自分の作風の行き詰まりを感じさせる期間でもありました。
 特に4~5年目には「自分は同じような作品しか書けていない」「文章も平坦すぎて面白味がない」と悩んでいました。
 これらの悩みは、結局解決されることもなく、未だに私の中で尾を引いています。

 高専時代の読書は主に、他の部員の作品や、他校の文芸部の作品を読んでいました。
 古典文学にはまって御伽草子なども読んでいたのですが、読書量でいうと中学時代より確実に減少していたと思います。
この頃の私に大きな影響を与えたのは、NHKの「みんなのうた」でした。
 中学時代に偶然視聴したみんなのうたの「もういいかい」「朝」などの美しさが心から離れず、高専生になってから改めてみんなのうたを意識的に視聴するようになりました。
 その影響もあって、一時期「綺麗で心が洗われるような作品を作ろう」と考えて、描写や雰囲気作りに凝っていました。
 その成果が今の私に表れているかというと疑問が残る部分ではあるのですが……。

 そして高専卒業後は就職して会社員になり、今に至っています。
 幸いにも今のところ残業の少ない部署にいるので、創作にそこそこの時間を割けています。
 それでも学生時代より創作しづらい環境になったのは確かですね。
 時間もそうですが、気力を維持するのが大変です。

 そんなわけで、学生時代に感じた「自分の作風の行き詰まり」は未だに解決することなく、暗中模索の状態です。
 できるだけ他の人の作品を読んで参考にしたいと思っているのですが、前述の通り行動力に欠ける臆病者で、よっぽど暇でなければ読書をしない性格が根底にあるので、ことあるごとに躊躇しています。
 コミュ障は表面的には治したつもりなのですが、人付き合いで神経をすり減らすのは相変わらずで、チャットのあるオンラインゲームは怖くてプレイできないほどのネクラですから、作家同士の交流をするのも苦手です。

 ただ、そんな自分を変えていきたいという思いはまだ持っていますので。
 これからも色々な作品を書いて、魅力的な文章を書けるように努力していきます。
 自分の精神状態や空き時間と相談して、他の人の作品も読んでレビューなどしていくつもりです。
 作家同士の交流も、苦手ではあるけど楽しく有意義なものではあると思っているので、閉じこもらずにやっていこうと思っています。

 そんなわけで、これからもしばらくは(あるいは永遠に?)不器用に駄作を作り続けることになると思いますが、何卒よろしくお願いいたします。

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