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タイトルをつけるのが苦手

 やった、書けた。さあ投稿だ、と意気込んだところで、毎回毎回、肝心のタイトルに悩む。

 まず、付け方がよく分かっていない。

 小説の一節からとったり、キーワードやアイテムにしたり、感覚のままつけたりしているが、しっくり来るものはなかなか無くて、センスが無いなぁ、なんてぼやくのが私の常だ。
 
 でも今回、『1000字の色々』にあげた新作『セピア・サンセット・ラヴァーズ』は、これまでとは違う考えでタイトルをつけた。

 これまでは、タイトルと言えば『話の内容を説明するもの』だと考えていた。お菓子の箱の裏に書いてある商品名や成分表示みたいなものだと。

 だが、今回ふと気づいたことがある。
 タイトルは、作品の『名前』だ。

 どうして長いこと気づかないでいたんだろう。先のお菓子の箱の例を使うと、タイトルは『じゃがりこ』なわけだ。決して『ジャガイモのスティック菓子』ではない。

 タイトルで表現しても良いんだと気づけた。

『セピア・サンセット・ラヴァーズ』は、書き上げてから、これは何とも古くさい話になったと思った。一昔前の情景だなぁと、自分の頭の古さに笑ってしまった。

 でも、私が書きたかったのはこの情景だった。だから、タイトルを古くさくした。

『セピア』に過去のイメージを託した。それから、まるで歌謡曲の題名みたいなカタカナ英語で、どことなく漂う昭和臭を醸し出したかった。

 タイトルから『古くささ』を感じさせたかった。

 タイトルは作品の『名前』。覚えておこう。

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