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駄目ぎゃるの裏テーマについて。

折角なので駄目ぎゃるの裏テーマについても記しておこうかな、と思い至りまして。

駄目ぎゃるはギャルに主人公が攻略されちゃって甘い日常を送ってるストーリーですが、実は実はこの作品には裏のテーマがあるんですよ。

主人公が”大人になっていく”というテーマです。

主人公の三代は当初、かなり拗らせていた少年でしたね。ですが、理解が出来ない人種であるギャルの志乃に迫られ、まずは”受け入れる”あるいは”寛容”というものを手に入れ、一歩を踏み出します。

そこからはいちゃつきが続きますが、途中でその精神的余裕からアルバイト先では文句を言わずゴミ拾いもやったり(本人の性に合っていたというのもありますが)、誰に言うでもなく秘密裏に委員長の四楓院くんが学年一位を取れるように動いたり、といったような行動を起こしましたね。

そして肉体的な面でもセックスという契機を得ます。

ですが、彼はそれでもまだ大人にはなれていないのです。それは年齢的な問題もそうですが、精神的な面でもです。

三代は過去と完全に向き合い、その先へとはまだ進めていなかったりします。10万字を超えたあたり(文庫で必要最小限のページ数で刊行すると想定したら、1巻の終わりか2巻の始まりくらいでしょうか、多分)から、修学旅行の話が出て来ましたが、そこで三代はかつてイギリスにいた子どもの頃を思い出し始めています。

ぼっちでは無かった子どもの頃という、輝かしい過去と出会った時に彼はそれをどう受け止めるのか。
選択を迫られます。

今の自分を変え満たしてくれている志乃か、それとも小さい頃の自分を満たし待ち続けてくれたイギリス時代のブロンド美少女か、彼は選ぶ必要に迫られることになります。

ブロンド美少女の方は、思い出として出て来ただけであり、まだ物語では修学旅行に行っていないので未登場ですが、主人公の三代にとってどちらも捨てきれるものではなかったりします。

本作は舞台が現実世界ですので、『重婚すれば解決』といった解決策に落ち着くことは出来ません。
当たり前ですが、志乃もブロンド美少女もどちらもが自分を選んで欲しい、という思いを抱きますので。

三代は選ばなければなりません。そして、選ぶということは”責任を負う”ということに他なりません。
そうして少しずつ、未熟でなりきらない子どもから大人へとなっていきます。
登場人物は(一部を除いて)等身大さを多少は意識して書いた、と以前にお伝えしましたが、それは裏のテーマの為でもあります。

かなりエンタメ性も強くしていますが、作品にこういうイシューも含まれています、というお話でした。他にも恋愛を肯定的に書くことで昨今の世間の恋愛離れに一石を投じたいなぁという思いもあったりなかったり。

まぁそんな感じです。
魔専学校の方もスケベな展開をお送りしつつ、幾つか裏のテーマが存在していたりしていなかったり……? な感じですね。

ここまで見て頂きありがとうございます。それでは失礼いたします。

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