第2話 彼の言いたいこと


学校のチャイムの音が鳴った。
そのタイミングで先生が来た。先生の後ろに今朝の男の子
芹沢洸が居た。
流石に同じクラスなのは驚いたけど
関わる気ないし関わらないで欲しいから先生の言葉、
芹沢洸の自己紹介は聞き流してた。
私は聞き流してる間ずっと昔のことを思い出そうとしてた
何故か、昔の私を知りたいと思った。
昔の私はどうなんだろう。笑ってたのかな。楽しかったのかな
クラスメイトの事なんて呼んでたんだろう。とか。
気がついたらホームルームは終わっていた。
芹沢洸は……まぁ、転校生だからみんなに人気者だね
わー、すごい。モテモテの人だぁ(棒)

『ねぇー!芹沢くん…転校したばっかでしょ?あの…私が案内してあげるっ!そのついでに、お昼一緒に食べない?色々教えるから!』

わぁ。さすが転校生人気者だよね。うちのクラスの可愛い子が
簡単に惚れてるじゃん。こんなん断る男子なんて居ないだろうね

『おー!マジで!?ありがとう!でも……』

ほら……やっぱり男子って簡単だね。簡単に……ん?
いつの間にか芹沢洸は私の席の前に居た。
え、なんでこの人私の前に居るの?てか、何の用?
記憶失くしたばっかだからあんまり人と絡みたくないんだけど…

『……何か用ですか?』

私は、早くどこか言って欲しくて睨みつけるように
芹沢洸に言った。
すると芹沢洸は何故か笑顔になった。
私はとても不思議だった。なぜなら、睨みつけられて笑顔な人を
記憶失ってから初めて見たからだ。

『さーくーらーいっ!俺、お前に学校案内してもらいたいんだけど』

……この人は何言ってるの?私より可愛い女の子に案内してもらった方が
すごくいいと思うんだけど……。
どうして、私?
私と話しても面白いことなんてないと思うんだけど……
けれど、なんか笑顔で教えてなんて言われたら断れなくて……

『いいよ。休み時間なら案内できるよ』

私は彼に興味持った。
なぜ、彼は私のことを知っているような口だったのか
そして、なぜ嬉しそうな顔なのかなって
はやく昼休みにならないかなと思った
そうすればわかる気がしたから

何だかんだで授業が終わった。昼休みだ……
彼は今どこに居るのだろう……と思って辺りを見渡した
……教室には居ないらしい
仕方ないので私は教室出て彼を探すことにした。
水道の近くで芹沢洸に案内するって言ってた女子、霧川綾香が居た
私はなぜか物陰に隠れた。あぁ、何やってるんだろ私。
すると霧川綾香が何かを言ってる。何言ってるんだろ。

『てかさー、なんなん。なんで私が!桜井未来に負けるの?
あんな子より私の方が可愛いのにさー』

あぁ。愚痴か。そりゃそうだよね
だって彼女は芹沢洸に案内断られたんだもん
しかもそれが私じゃなくて彼女より可愛い子だったら仕方ないかもしれない
けれど、彼は私に案内を頼んだんだもん。
あぁ、先が怖いな……
どうやってここから抜け出そう……

『俺が桜井に頼んだのはさー。えーと、綾香?ちゃんだっけ
君より桜井に頼んだ方が楽しそうだからだよ』

私に頼んだ理由がそれなの……?
だったら私より他の子に頼んだ方が……

『それに、俺アイツに言いたいことがあるし。』

言いたいこと?なにそれ……意外と気になるかも
……後でお礼しなきゃな。
その後私は教室に戻ることにした。
教室で彼を待つことにした。

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