あの日彼と出会って私は変わる

第1話
私は小さい頃の記憶がない
両親から聞くと私は事故で記憶を失くしたそうだ。だから意識が戻った時は両親の事すら覚えてなかった。最初は赤の他人のようにしか思えなくて、話しかけるのも嫌だった
私は今日久しぶりの学校だった。だから学校の準備をして靴を履いて玄関を開けた瞬間
となりに住んでるシングルマザーの飯島さんが
居た。不思議とこの人と話すのは嫌いじゃない
きっと、記憶を失う前は仲良かったのだろうと私は思っている。

『あら!未来ちゃんおはよう。今日から学校なの?記憶失ったって聞いたけど大丈夫?』

私が記憶失ってることは近所には知れ渡ってるらしい……恐らく母が言っていたのだろう

『はい。少し不安だけれどきっと大丈夫です。飯島さん心配してくれてありがとうございます』

やっぱりこの人と話すのは嫌いじゃない。
私の母とは違って何故か話しやすい気がする
5分くらい話してると母が玄関に来た。

『未来。お弁当忘れてるわよ。今日は、早く帰ってきてね。未来の好きハンバーグな作るから!』

母は笑っているが私はこの笑顔が大嫌いだ。
なぜなら、母は飯島さんが居るのを確認してこの笑顔を作ってるからだ。
まぁ、簡単に言えば外面がいい大人みたいな感じかな。

『……ありがとう。なるべく早めに帰ってくるね』

私は母の顔が見たくなかった。私は受け取ったお弁当をスクバに入れながら言った。

『あら、飯島さん。おはようございます。今日はどうかなさいました?』

母は今気づいたように飯島さんに話しかける。
飯島さんに話しかけながら飯島さんに気づかれないように睨みつけてくる。

『あ…。じゃあ私はもう学校行きますね。』

私は一礼して学校へ向かう。
きっと母は飯島さんに気づかれたくなかったのだろう……
私は記憶失う前のことは覚えてない……
けれど、記憶失っても1つだけ確信できることはあった。
それは、虐待だ。
入院の時は先生は気づかなかった。
きっと事故の傷とでも思われてたのだろう。だから病院に居た時は虐待の跡だと気づかれなかった。
私が母を嫌う理由もきっとこのせいなのだろう……
これは私の考えだけれど、飯島さんはきっと虐待の事に気づいてる。そうじゃなきゃ、毎日のように会いに来ないと思うからだ。

『……い。……桜井!!』
なんか男子の声がする……しかも肩をぽんって。
仕方なく私は振り向いた。

『……誰ですか?』

記憶失ってるのだから仕方ない……傷つくと思って敢えて無視していた。振り向くと同じ制服の男の子がいた。

『あ……えーと』

やっぱりこの反応だよね。うん、分かってた
最初はみんなこういう反応だった。
だから私は慣れた
男の子は少し動揺しながら言った。

『あー、ごめんごめん!そりゃ分かんないよね!俺の名前は芹沢洸!よろしくな!桜井未来!』

と彼は笑顔で自己紹介して私の名前を呼んだ

『せりざわ…こうくん…?』
母から貰ったクラスの名前の中には無かった名前だ
きっと見間違いだと思ったのだけれど私の名前知ってるし、それに制服も同じだから可能性は低い

『あぁ、知らないのも無理はないよ。俺今日からこっちに転校してきたからね!』

転校してきたのか……うん、納得した。
けれどそこで私は1つ疑問に思った

『なんで、芹沢くんは私の名前を知ってるの?いや……名前知ってたとしても顔までは分からないはずだよね?』

私は疑問に思ったことを彼に聞いた

『そりゃぁ……小さい頃に遊んだから分かるよ!』

彼はそう言った。最初にも言ったけれど私には小さい頃の記憶はない…
けれど、彼と初めて話したはずなのに嫌いじゃない
懐かしい感じがする…

『そっか。よろしくね。芹沢くん……』

『おう!よろしくなっ!桜井!』
彼はにっこりと笑って言った。
この時の私はこの先、彼とずっと一緒になるなんて
考えてなかったであろう……
そして彼と再開し私の運命は変わる。

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