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ただいまアルメニア語を勉強中②

 ただいまアルメニア語を勉強中②

 とはいえ、どちらかと言うとアルメニアの歴史を勉強する方に注力してしまい、あまりアルメニア語の方は上達してない感じです。
 ただ、アルメニアの歴史や神話や民話に関して英語の本を読んでいる内に、なんというか前に比べて英語が得意になっているような気がするんです。
 実際の所、英語の簡単な文章(アルメニアの絵本とかEnglish Edition)ならスラスラ読めるようになってますし、少し成長したのかなと。
これに関してはアルメニア語を勉強したというのも大いに影響してる感じはします。
 何故なら、アルメニア語の方が百倍は難しいからですね。かつては忌み嫌い憎んだ英語ですが、アルメニア語を少しでも勉強した後だと、可愛い奴めと思えるようになれました。
 アルメニアの歴史や人物をWebで調べる際も、昔は英語のWikiはYahoo翻訳しながら読んでいたものですが、今は面倒な時はそのままで読むようになりました。逆に中途半端な日本語訳が邪魔な時がありますし。(まぁ、今でも確認用で見たりしますけど)
 ともかく、アルメニア語という私からすると第三外国語に位置づけられる言語を学んだ事で英語の力が付くというのも面白いものです。急がば回れ、という感じですかね?
 
 もっとも、アルメニア語の方もさらに学ばねばならないと思ってまして、先日、丁度アルメニア語の辞書Eastan Armenian Dictionary&Phrasebook(東アルメニア語・辞書と日常表現の本)とかが来たので、勉強をしようと思ったのですが、これがとんでもない本でして。
 この本は辞書というより単語帳みたいな感じなのですが、なんとアルメニア語が載ってないんですよ。代わりにアルメニア語をローマ字に変換した言葉が載ってて、それの意味が英語で載っているわけです。
 たとえば、『achk’』というのは『eye』という意味といった具合に。
 それで『achk’』をアルメニア文字に戻すならば『աչք』になるんですが、それを自分でやらないといけないわけです。
 となると、アルメニア文字をキーボードで入力しなければなりません。
 色々と調べて見て、言語バーの所でアルメニア語入力に切り替えられるようにしましたが、大変なのはここからでした。キーボードのどの位置に、どのアルメニア文字が対応するかを覚えなければいかないからです。
 アルメニア文字は38文字あり(12世紀辺りで新たにローマ字のoとfに対応する文字が入って38文字らしいです)、ローマ字は26文字しかない。
 となると、38引く26の12文字は必然的にアルファベット以外の所に対応するわけで・・・・・・まぁ、覚えましたよ。対応表を紙に書いて、いつでも見れるようにもしてます。実際の所、言語バーのアルメニア語のプロパティの所を見れば、対応するキーボードの位置が分かりはしますが、これは文字が小さい上にアルメニアの大文字しか載って無くて初心者には分かりづらいんですよ。
 ともかく、それでアルファベットに対応してない12文字、これは次の場所にあるのです。
 『2』『3』『0』『=』『~』
 『@』『「』
『+』『*』
 『、』『。』『?』
 この12箇所です。それぞれ『2』⇒『ձ』(dz)
『3』⇒『յ』(y)
              『0』⇒『օ』(o)
              『=』⇒『ռ』(rr)
              『~』⇒『ժ』(zh)
             『@』⇒『չ』(ch)
             『「』⇒『ջ』(j)
              『+』⇒『թ』(t')
              『*』⇒『փ』(p')
             『、』⇒『շ』(sh)
             『。』⇒『ղ』(gh)
             『?』⇒『ծ』(ts)
 といった具合です。(ここの‘ というのはアポストロフィで有気音・帯気音と呼ばれる記号となります)
 ただ、実際は他にも問題がありました。
 キーボードのAの位置を入力するとアルメニア文字の『ա』(a)が出力されて、きちんと対応していますが、そうでないキーボードの場所もあるのです。
 たとえば、キーボードのCの位置。これをアルメニア語で出力すると、『գ』(g)が出てきます。Cのキーボードでアルメニア語を入力するとローマ字変換だと(g)を意味するのが出て来るわけです。(恐らく、Cを入力すると出て来る『գ』の文字はアルメニア・アルファベットで三番目に対応するので、ローマ字アルファベットの三番目のCがあてがわれたのでしょうけど)
 何が言いたいかと言えば、キーボードの場所によっては、その場所のアルファベットを入力しても、出力されるのはそのアルファベットに対応したアルメニア文字じゃない事があるのです。なので、これも覚えねばなりません。
 注意すべきキーボードの位置は次になります。
『c』『y』『e』『u』『q』『j』
『o』『x』『w』『g』でしょう。

『c』⇒『գ』(g)これは先も書いた文字です。

『y』⇒『ե』(ye)
『e』⇒『է』(e)
『u』⇒『ը』(ə)
 この三つも似てて困ります。そもそも『ե』と『է』は文字も似てて判別しづらいですし。
下の部分が上を向いてるのが『ե』(ye)で下を向いてるのが『է』(e)ではありますが。
ちなみに、(ə)とは曖昧母音を意味する記号です。ただ、これは単なるローマ字変換なので、実際の発音記号とは違うわけですが。たとえば、『ը』(ə)も語中では(ə)の曖昧母音どおりに発音しますが(utterのuの発音に近い)、このアルメニア文字が語頭に来ると普通に(a)の発音となるわけです。
 ともあれ、この三つはそれぞれ似てはいるものの慣れればキーボードの入力文字と直感的に近くもあります。

『q』⇒『խ』(kh)
 まぁ、これは『q』(キュー)と(kh)は似ているので、少しは覚えやすいかも知れません。

『j』⇒『ճ』(ch')
 これも覚えねばならないでしょう。ちなみに、ローマ字変換で(j)に対応する『ջ』はキーボードの『「』を入力すれば出てきます。なので、
『「』⇒『ջ』(j)
 こちらもセットで覚えねばならないわけです。

 同様に、
『o』⇒『ո』(vo)
に対して、キーボードの0(ゼロ)を入力すると出て来る『օ』(o)も重要でしょう。
『0』⇒『օ』(o)
 ちなみに、『ո』(vo)は『=』を入力すると出て来る『ռ』(rr)と似ていて、見分けが少し大変です。まぁ、『ո』と『ռ』では『ո 』(vo)は形がアルファベットのnに近くて、
『ռ 』(rr)はパソコン表記だと少し右側が丸くなってて筆記体だと右下から横棒が出ている形となります。

『x』⇒『ց』(ts')
『w』⇒『ւ』(w)
 この『ւ』(w)ですが、発音上はuやvの音となりますが、ローマ字に変換するならば、
(w)となるのでしょう。また、この『ւ』は他の母音と連続すると複合母音といった特殊な発音をします。たとえば、『ո』(vo)と『ւ』(w)が連続して『ո ւ』(vo w)となるとuの発音となるわけで、こうなってくるとローマ字変換と全然違う読み方になってしまいます。(しかも、この複合母音の後にさらなる母音がくると、今度はvuの音となったりして大変です。『ուէ』(vo w e)だと音は[vue]となり、『ուի』(vo w i)だと音は[vui]となるようで中々覚えるのは大変です。しかも、このvuの音は厳密にはuとvの中間体であり、半母音と呼ぶそうで、色々とさらに大変です。)
 なので、結局はアルメニア文字でアルメニア語を覚えなければならないわけです。
ただ、せっかくなので最後までやってしまうと、
『g』⇒『ք』(k')
 となります。

 まぁ、こういった事を覚えて(対応表も作って)、ようやくキーボードでアルメニア語を打てるようになりました。
 そこで、試しにEastan Armenian Dictionary&Phrasebookに載ってる単語(ローマ字変換されたヤツ)を自分でアルメニア文字に戻して、調べてみました。
 しかし、最初からつまづきました。
 最初には『ach』と書いてあり、これがright(right handのright)とされており右という意味なのでしょう。それで、アルメニア文字に直すと『ach』は『աչ』となり、これを仕方なしにグーグル翻訳に入れてみると、英訳にeyesと出てきて『両目』という意味になるのでしょうか?
 なんか違うぞ、と思い、ネット上のアルメニア語-日本語-辞書で調べて見ても、同じく『目』という意味に?やっぱり、何かが違う・・・・・・。いや、グーグル翻訳とかが間違ってる可能性も十分にあるのですけど。
 それで色々と調べるとrightに対応するアルメニア語は『աջ』(aj)となっていて、明らかに違うわけです。
 ここで私は戦慄しました。この辞書はアルメニア文字が載ってないばかりか、誤字すらしている、と。
 ものすごく勉強する気が失せてきたのですが、ここで諦めるわけにはいきません。
 続いて、二つ目の単語を見ると、『ach'el』となっていて、意味は『to rise』とか『to grow』となっています。しかし、『ach'el』に対応するアルメニア文字『աճէլ』を調べて見ても何も出てきません。それで少し調べて見ると、『աճել』(ach'yel)がgrowという意味だと分かりました。つまり、三文字目のէ(e)がե(ye)だったのです。これも誤字・・・・・・。
 いや、確かに『ե』(ye)のアルメニア文字は文中ではeの発音になるのですが、それをローマ字変換でやられると非常に困るわけです。ローマ字変換はあくまでも機械的な変換であって、発音記号じゃないわけで・・・・・・。
 また、同書にはアルメニア文字がほんのわずかに載っているのですが、そごには次のように書かれて、その次にアルメニア文字の単語のみが書かれています。
『work out these commonly found words and signs . 』
 つまり、次にある単語は、一般的に見付けられる単語なので、自分で意味とか訳とかを探し出してね、という事なのでしょう。
 それで、最初の単語を見ると、『ռատիօ』と書かれています。ローマ字変換も英語の意味もありません。まぁ、ローマ字変換するなら(rratio)なのでしょう。
 これを見て思いついたのはradio、つまりラジオの事かなと思ったのですが、グーグル翻訳とかで『ռատիօ』を入力しても何も出てきません。
 逆にradioのアルメニア語訳を調べて見ると、『ռադիո』と出てきました。これのローマ字変換は(rradivo)となるのでしょう。(ただし、語中なので、voはoとしか発音しない)  
なる程、微妙に違う。というか、また誤植な気がしてくるわけです。
 『ռատիօ』が間違いで『ռադիո』が正しいスペルなのですが、三文字目のտ(t)をդ(d)に直して、五文字目もօ(o)をո(vo)にしなきゃいけないと思います。
 それで色々と考えてみたのですが、三文字目の過ちのտ(t)なんですが、これは西アルメニア語ではdの発音をします。なので、発音記号だけを考えると、『ռատիօ』はrradioと読めてradio(ラジオ、英語の発音はréɪdioʊだけど)の事を言いたいんだろうと思います。(ただ、この本は東アルメニア語の本なんですけどね)まぁ、こんな単語は西だろうと東だろうと古代アルメニア語だろうと無さそうな気がしますが。少なくともcommonly found wordsでは無いでしょう。

 というわけで、色々と困った本なのです。
 なので、いずれきちんとした辞書とか電子辞書を買わねばと思うキールなのでした。
(もっとも、きちんとした電子辞書のは数十万円ぐらいするようで、金欠のキールには厳しい状況です)
 とはいえ、このEastan Armenian Dictionary&Phrasebookも誤字というか使いづらさは、かなりのものなのですが、所々良い点もあります。
 最初に歴史に関しての説明があり、これは簡潔によく纏(まと)められていますし、その後の文法も同じく簡潔で分かりやすい。しかも、ローマ字変換という発想も面白く、安いし買う価値は十分にあると思います。
 ただ、ここで得た教訓は、『アルメニア語は難しく、一筋縄ではいかない』というものでした。
 どうにも、アルメニア語は高嶺の花というべきでしょうか、得がたいもののようです。
 まぁ、私としては手に入れる事(習得)が出来なくても、せめて近くで眺める事(読解)が出来れば十分なのですが。

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