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読書感想文2『ノルウェイの森』予告

文体をめぐる冒険

 僕は自分の書く力に限界を感じていた。良い意味でもあるし、悪い意味でもある。諦めるほどのこだわりもないが、期待するほどの熱もない。ある日の会社帰り、ふと小さな本屋に足を踏み入れた。久しく本を眺めていなかったなと気づいた。
 というのも、大きな書店に並ぶ本はみんなカラフルでカフェが併設されていることも多く、僕のような地味な人間にはいささか疲れるのだ。いつからか僕は本屋から足が遠のいていた。
 小さな本屋だけあって、入り口の半分は新しい本、奥半分は昔懐かしいタイトルが並んでいる。もちろん、僕の目当ては奥の空間だ。スペースを分けている通路を超えたとき、「おかえり」「ひさしぶり」という声を聞いた気がした。ああ、そうだ。僕はこういう本屋が好きだったのだよ。湿っぽくて、ざらついていて、本を開けば親にも友達にも言えない、僕と作者だけの秘密の会話がある。
 僕の胸は高鳴った。高鳴りは、幼い頃に感じたものと何も変わらなかった。そして、ふと目についた本を手にとった。村上春樹『職業としての小説家』。さっと目を通して、面白そうだった。日頃、倹約している僕には珍しく即決してレジに向かう。これが、僕と村上春樹のシンクロの始まりだった――。

6件のコメント

  • よくできてるー!すごい!

    ただ、村上春樹は「さっと目を通した本が面白そうだった」というくだりだけでも
    「僕はさっと目を通した。まるで大型の肉食獣が小さな鼠にほんの一瞬だけ目をやり、見過ごすように。おいしいかもしれない、いつか食べてやる、でも今ではない、と」
    みたいに書くかもwww
    あの人比喩すごいからwwww
    そこらへんまで真似できたら本当にめちゃくちゃすごいです!
  • さ、さすが!!www
    ユーリ姉も模写りましょうよ!!
    ユーリ姉のその比喩力ももっと見たいwww

    そして比喩ってるうちに、なかなか感想が進まないのですね!!www
  • ガチ真似したら本当に比喩ってばっかでねー、進まないですよ…!
    今月いっぱいみたいだから、林芙美子文学賞の応募が終わったらやってみたいですね!
  • ぜひぜひ!新しい体験にwww✨✨
  • 千織先生へ。

    『ノルウェイの森』もいいですが、『ノルウエェイの混浴風呂』って、どうですか?

    若い男女が、全身、裸でお風呂に入る物語りです。

    村上先生の遙かに上を行っている、物語りです。

    ちなみにですが、私は、実はハルキストではありません。

    で、で、できれば、この、混浴イラストもお願いしたいです。

    既に、吸血鬼ジジイには、「生血」が切れていますので……。

    お、お、お願い致しますです。
  • 混浴風呂!作ってみましたが、野郎がいますけどいいのでしょうか……??w
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