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『収監令嬢』思いつき小ネタ

マユ
「えーと……これは、『ぱん』ね。おしい! ほら、よく見て」

ハッチーその1
“……、……”

マユ
「『ん』は合ってるけど……」

ハッチーその1
“……!”(慌てたようにブーンと飛んでいく)

マユ
「あ、来た来た!」

ハッチーその2
“……、……!”

マユ
「ふが、イ、イタ、イタター! は、鼻を挟まれた!」

ハッチーその2
“……、……!”

マユ
「あー、うん、大丈夫よー。えーと、『ざりがに』? そんなお題出したっけな。4文字もあるし……」

ハッチ―その2
“……、……”(ハッチーが紙きれを見せる)

マユ
「うーん、ひょっとして『かに』のつもりだった?」

ハッチーその2
“……、……”

マユ
「うん、ハサミはあるけどね。でもこれは『ざりがに』。お題は『かに』じゃないのよね、『か』はあってるけど。えーと、これはもっとのんびりな生き物で危険もなく……」

ハッチーその2
“……、……?”(ハッチーが首を傾げながらブーンと飛び去って行く)

セルフィス
「あのー、マユ? 何かソールワスプがすごい勢いでわたしを引っ張るんですが」

マユ
「えっ、セルフィス!? 何でここに!?」

ハッチーその3
“……、……!”(セルフィスの腕をつかみ興奮したように顎をガシガシ言わせている)

セルフィス
「こっちが聞きたいんですが。いったい何をやってるんです?」

マユ
「借り物競争」

セルフィス
「は?」

マユ
「ちょうど今日はみんな暇だったから」

セルフィス
「意味がわかりませんが?」

マユ
「ハッチー、『まおう』だと思ったの?」

ハッチーその3
“……、……”

マユ
「おかしいな、2文字限定にしたはずなのに。ハッチー、お題を見せて?」

ハッチーその3
“……、……”

マユ
「あー、惜しい! 『ま』はあってる。……そうか、『まお』って読んじゃったんだね」

ハッチーその3
“……”

マユ
「いいの、そんなガッカリしないで。まだチャンスはあるし」

ハッチーその3
“……、……!”

マユ
「うん、ファイトー!」(ブーンと飛んでいくハッチーを見送る)

セルフィス
「あの、どういうことか説明してもらえませんか」

マユ
「だから借り物競争だってば」

セルフィス
「何です、それ?」

マユ
「知らないか。あのね、紙に書いたものをゴールまで持ってくる、という競争よ」

セルフィス
「それで何でわたしが?」

マユ
「『まめ』ってお題だったんだけど、グルンってところが似てるから間違えちゃったんだね。惜しかったなー」

セルフィス
「……はぁ」

マユ
「でも、思いがけなくセルフィスに会えたから嬉しい。忙しいもんね、魔王は」

セルフィス
「それはそうですが……目を離すとマユは何をするかわからないので心配でもあります。ソールワスプにいろいろ教えて、どうするつもりですか?」

マユ
「文字がわかるようになったら、いいかなって」

セルフィス
「わたしの魔法で知識を植え付けることはできますよ? 多分、簡単な言葉ぐらいなら」

マユ
「駄目よ! こういうのは過程も楽しみながらちょっとずつやらなくちゃ」

セルフィス
「はぁ。マユは妙な事ばかり思いつきますね、本当に……」


 ***


という訳でー。d( ̄▽ ̄*)
なろうでちょうど『マデラギガンダ編』を投稿したのですが、
「そういえば文字を教えるって言ってたな」
と思い出しまして、急遽書いてみました。

本当は、『ミネルヴァ』の「お化け屋敷・こぼれ話」を思いついたのですが、新川透の株がさらに下がりそうで、さすがに相手役としてこれ以上はマズい気がしましてですね。
株が上がりそうなネタと抱き合わせにしたかったのですが、そっちはまとまってなくて確実に長くなりそうなのでやめました。
ですので何となく、代わりに。
いつかまとまればいいけどー。( ̄▽ ̄;)

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