『収監令嬢』本日投稿分でもって完結いたしました。
読んでいただいた方、ありがとうございました。
……さてここで、『あとがきとゆーか創作裏話』を。
結構長いですが。( ̄▽ ̄;)
時は1年前に遡ります。
『トイレのミネルヴァは何も知らない』のおまけで『友達の友達』を2019年12月30日に投稿。
これで頭の中で考えていた分は出し切ったということで、私の中では一段落ついていました。(だからシメっぽくなっている)
そして、年は明けて2020年1月。
次は何を書くかということで、自分自身に与えたお題は
『貴族令嬢の恋愛物を書こう』
です。
ミネルヴァは『現実世界のポップな恋愛を書こう』というお題に対する自分なりのアンサーだったのですが、web小説で多いのは令嬢物ですしね。
私は、書きたい話とかないんです。ネタが自然に降ってくることはない。
ですので、何らかの課題を自分に出し、それに対して応える、という形でお話を作っています。
同題異話SRに参加しようと思ったのも、自分への課題の一環です。
企画としてお題を出して頂けるとは、とてもありがたいな、と。自分の中からは出てこないお題ですから、絶対に。
そしてみんな同じお題で話を書く。書くことでも、そして他の方の作品を読むことでもすごく勉強になるだろうな、と。
えー、話を戻しまして。
去年の1月からしばらくは、令嬢物をいくつか拾い読みしたり、ネットで実際のヨーロッパ貴族のことを調べたり、本を買って読んでみたり(でもって、なろうの方で『爵位』に関するエッセイを書いてみたり)しました。
ですが、どうも話を作れる気がしませんでした。その理由は愚痴っぽくなる上に長くなったのでここでは省きますが。
それで、
「私にはこの課題はクリアできない……」o(_ _;)
と諦めかけたのですが、ある日突然、閃いた。
「そうだ、『乙女ゲー世界に転生』というジャンルがあったじゃないか!」Σ(゜o゜)
その乙女ゲーを『なんちゃってヨーロッパ風世界観』における『貴族令嬢の恋愛物』にすればいいのだ! ハイ、解決! \( ̄▽ ̄*)
ゲームって新規ユーザーに向けて作るものですから、続編とかじゃない限り共通認識とかないですからね。つまり、「○○はこうあるべき」みたいな縛りが無い。
王様が国を放り出して旅に出たり、王女が家出して盗賊の一味になってたり。多少変でも「こういう世界観のゲームなんです」で押し通せます。
ただ、いくつか疑問がありました。
1つは「乙女ゲーって何なん?」ということ。
このweb上の『なんちゃってヨーロッパ風世界観』、暗黙の了解がいろいろあるっぽいので、『乙女ゲー』でもあるのかな、と。
何をもってして『乙女ゲー』と定義づけているのかな、ということですね。
これについては、このあといろいろ調べたり詳しい方に聞いたりして何となくクリアしたので、ここでは割愛。(あまりにも長くなったので)
そして、2つ目の疑問。
「ゲーム世界に転生ってどういうこと?」(・_・;)
わかります? このオカシさ。伝わるかなあ……。
今回あとがきを書くことにしたのも、これを言いたかったからなんですが。
異世界はわかりますよ。昔からありますし。現実世界とは別の管轄の神様が作った世界で、他世界の常識を持つ人間じゃないと救えない、とか、どうとでも理由はつけられる。
だけど、この『ゲーム世界に転生』の話に出てくるゲームは『巷で流行っている、自分が気に入ってプレイしていたゲーム』なんです。
巷に流通しているということは、そのゲームを作ったのは間違いなく日本の会社、その世界観が構築されたのは複数の日本人の頭の中です。
つまり、神様でもなければ特別な能力がある訳でもない、現実世界を普通に生きている人達、ということです。
じゃあ、いったい誰が、何のためにその世界を3D化したの?
それに、ゲームってめちゃくちゃいっぱいあるよ。有名ゲームでも知らない人は知らない。
どうして都合よく自分の知っているゲーム世界に行けるの?
いやいや、そこ重要じゃないやろ、ということは理解しています。
「さあ、ゲーム世界に来ちゃいました。どうする?」がスタートで全然構わないんです。それに、作中はいかにフラグを折って主人公が幸せになるかですから、よく知っているゲームじゃないと攻略できないですよね。
もう一度言います。
そんな「なぜ?」は要らん。スルーでOK。物語中に書く必要は絶対にない。
それはわかってるんですけど、どうしても引っ掛かってしまって。
何作か読んだんですけど、当然ながらそこには触れられてはいない。(当たり前だ、要らないんだもん)
いや、でも、ゲーム世界って仮想世界よ? 現実世界に対してどういう位置づけになってるの? なぜ魂は現実世界じゃなくてそっちに行っちゃったの? そもそも転生ってナニ?"(-""-;)"
……となり、
「じゃあどうせなら独自で転生システムを考えてみるか」
となったときに、ちょうど『同題異話SR』の2月のお題が来ました。
それで試しに自分なりに転生システムを作ってみたのが、2月の『きみの嘘、僕の恋心』になります。(死神バイトの話)
まぁこれはあくまで転生システムの試作で、『収監令嬢』では用いていませんが。だいたい、マユは転生してないし。
話を戻そう。( ̄- ̄;)
という訳で、通常だと簡単なストーリーとキャラを作ってから肉付けしていくのですが、『この世界の成り立ち』という非常に大枠といいますか、作中に書くことは無いであろう一番外側から作ったのが本作になります。
キャラ重視の私としてはかなり珍しい作り方をしました。普段はむしろあちこちに設定の余白を作りながら話を作るので。(後々広げやすくするために、ですね。決めすぎると縛りが出て難しくなる)
だけど今回は駄目。自分がしっくりきていない世界の中で、話を転がせる訳が無いです。
だから逆に、そこさえ決まれば話も決まるんじゃないかな、と思いました。主人公がなぜそのゲーム世界に来たのか、という理由付けから考えることができますから。(本編中には要らんけどね、これも)
それで大枠を作って、キャラ作って、ゲーム作って、プロット作って……とやっていって、実際に下書きを書き始めたのは多分、2月中旬頃じゃないかな。
4月と5月はFF7リメイクをやるのに忙しくて、丸々二か月書いてません(←オイ)。
6月から再開して第6章を書き終えたのが8月中旬。実質四か月ぐらいですか。
この『辺境編』はプロットなしだったので暴走に暴走を重ねまして、最初に作った『学院編』のプロットが全く使えなくなりました(笑)。
そうしてプロットを作り直し、後編を書き始めたのですが……第9章を書き終えたあたりから、ほーんとに詰まりまして。
「こんだけ書いちゃってるけど、読む人はいるんだろうか」( ̄д ̄;)
と滅入ってしまったんですよね。
この時点ですでに30万字超えてましたし。『ミネルヴァ』と違って章ごとに外に出せないのが本当に辛かった。
120万字超えの『旅人シリーズ』だって、区分ごとに外に出した(=Nに読んでもらった)から最後まで書けたようなものです。一番長い『天上の彼方』だって30万字には到達していない。
それで、『完結させてから投稿』という自分ルールを破りまして、前倒しで連載を始めました。
第6章の『辺境編』まではほぼ確定しましたので設定が覆ることは無い。表に出しても大丈夫かな、と。
更新のたびに読んでくれる人が、数人でいいからいて欲しい。
もともとはNというたった1人の読者がいてくれたおかげで、『旅人シリーズ』を完結させた私です。
「ちょっとでいいから読者がつけば、十分に燃料になるはずだ!」(*''▽'')ノ
……と。
実際には二桁以上の方が読んでくださいまして、とてつもないエネルギーになりました。
交流がある方のコメントや応援は当然嬉しい。そして、見知らぬ誰かが読んでくれたことで積み上げられたPVは本当に励みになりました。無言の応援ですよ。
連載を開始したのは10/15で、ちょうど第10章の下書きに苦しんでいたのですが、いつの間にやらスランプ脱出。第11章から最終章までの下書きは約15万字、これを20日間で書きました。過去最速。( ̄▽ ̄;)
こんな感じで、この『収監令嬢』という作品ができあがりました。
フラグを折る話ではなく、フラグを知らないという話。
これは、自分のよく知っているゲーム世界に来る話しか見たことなかったので、
「自分の知らないゲーム世界に来た場合、話は作れるんだろうか?」
と、新たに自分に課題として出したものです。
結論としては、
「作れないことはないけどすんごく大変」
「やっぱり知っている人間がいないと無理」
「テンプレは偉大」( ̄Д ̄;)
でした(笑)。
当初の目標はあくまで『異世界恋愛』ですし、今でも自分ではそのジャンルだと思っていますが、かなりファンタジー色が強くなりましたね。
本当は『恋愛』ジャンルにしたかったんですけど、カクヨムの区分だと堂々と恋愛物として出すには難しいなあ、ということで『異世界ファンタジー』に設定しました。
主人公のマユの頑張りをずっと追った物語でしたが、以上のようなこともあり、
「考えてあるけど書かない」
とした部分がいろいろとあります。
話がブレますし、マユが知りようがない情報なので。
ですが、忘れてしまいたくないので、少し落ち着いたら『外伝』として短編連作を書いていこうかな、と思います。
しかしこんなんばっかりですね、私は……。『ミネルヴァ』といい、『旅人シリーズ』といい……。"(-""-;)"
いや、本編には不要だからさあ。背景とか脇役のこととか。
でも……でもでもね!
魔獣とかね! サルサとかね! シャルルのその後とかね!
あと、千年前の魔王と聖女シュルヴィアフェスとかね!
そして当然、セルフィスとかね!
忘れないうちに書いておきたいな、と思うことは色々あるんですよー。……全然まとまってないけど!(笑)
いつになるかは分かりませんが、形にできたらいいな、と思います。
気が向いたら覗いていただけると嬉しいです。
さて、とんでもなく長くなりましたが、これにて『あとがきとゆーより創作裏話』はおしまいです。
改めて。
『収監令嬢』を読んでくださった方々。
そしてこの長いあとがきまでお付き合いしてくださった方々。
本当にありがとうございました。
この『収監令嬢』がどこかで誰かの暇つぶしになっていたらいいな、と祈りつつ、筆を置きます。
それではまた、いつか。(^^)/
※18:48 追記
どうでもいいことなんですが、PV「7777」の瞬間を見逃した……。o(_ _;)
いえ、とてもありがたいことです。一日でそんなにたくさん読んでいただけるとは!(私が気を抜いていただけ!)
完結したからですね、きっと!
読んでくださった方々、読んでくださっている方々、ありがとうございます。
(ノД`)・゜・。