「仮想泥棒ゲーム」ステージ#9の最後の場面は、夜の遊園地の前でした。モントリオールのサンテレーヌ島にある「ラ・ロンド」です。中の様子については、ネットで情報が充実しているので書きやすかったです。ただそのせいで、シーンを書きすぎましたかね。乗り物で遊んでいるところとか。F1ドライバーが遊園地の乗り物(高い系)を怖がる、というギャップが面白くて、ついいじめてしまいました(笑)。
元々構想段階では、ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットのあるノートルダム島だけを舞台にする予定でした。しかし、調べたら他にあるのはカジノとボート競技の水路だけ。これだけでは話のネタに困りました。せめてホテルでもあれば。市街地の方まで範囲を広げようかと思ったのですが、そうするとカジノばかりをうろつく必然性が薄れてしまいます。それで、隣のサンテレーヌ島を調べたらおあつらえ向きに博物館がある。ついでに遊園地もある、ということで、舞台に加えました。
そしてノートルダム島からスタートしたのだから、終わりはサンテレーヌ島であるべきでしょう。これも最初は市街地の、EXPO関係施設にしようと思ったのです(もう一つの退出ゲートが市街地なのはその名残です)。しかし調べたら何もない。モントリオールって、市街地にはろくな観光場所がないなあ、と呆れたくらい。いっそ、サーキットのフィニッシュラインをゲートにしようかとも。そして「サルー・ジル!」と言いながら退出するとか。しかしちょっと風情がなさ過ぎる、ということで、本文のようなラストシーンになりました。もし遊園地がオープンしている間に退出しようとしていたら? いや、できるはずなんですけどね。ゲートを通り過ぎたら急に姿が消えるけど、周りの人は気付かないっていうだけで。