「Cool & Sensible 湾岸探偵局!」では暗号を解く話をよく書いていますが、今回の第9話も暗号です。しかも外国語を用いた暗号です。舞台はもちろん日本ですが、なぜ外国語の暗号であるか、は本文にちゃんと語られていますので、お読みいただきたいと思います。なかなか巧妙な暗号であると自負しています(笑)。探偵が、暗号の解き方に気付くところも書いていますしね。
さて、第9話は全部で10パートなのですが、その第5パートで暗号を解いてしまいました。この先何があるのかというと、もう一つ暗号が出てくるんですね。なぜ暗号が二つあるかというのも、本文で書くことになっています。それにしても、異なる解き方の暗号を二つも作って短編に入れるのは大変です。暗号ものは当分書かないかも(笑)。一度は本格(論理による推理)に挑戦してみようと思いますが、どうなることか。
ところで、暗号で最も簡単な「換字式暗号」(記号を文字に変換する)を除くと、外国の小説に出て来る暗号は、たいてい外国の文化と絡んでいます。聖書を使うとか、それに代わる有名な本を使うとかです。その国の人にとっては理解しやすいのですが、日本人が読むとよく判らないこともあります。文化を理解していないからでしょう。でも、日本にも暗号があります。本文にも出てきますが「折り句」とか。あるいは「いろは歌」に暗号が隠されているとか。「百人一首」に暗号が隠されているとか。それも全部日本の文化に関係しています。ということは、外国語に訳して外国人が読んだら、「よくわからん」ということになるのでしょうね。
そもそも外国語自体が、知らなければ暗号とも言えます。単純な換字式暗号でも、変換後の文章を読めなければ解読できてないのと同じというわけですよ。ひらがなや漢字を読めない外国人には、文章を見て日本語か暗号かを判別することも難しいでしょう。