直木賞と芥川賞の発表がありました。芥川賞については、興味がありません。純文学は読まないので。直木賞は(作者やタイトルは書かないでおきますが)時代小説のようです。時代小説にも興味がないのでよく知りませんが、人気のあるジャンルだろうと思います。単行本より、文庫が多いですね。毎月新刊を出してるような作家もいるくらいで。
時代小説というのは、書くのも難しいと思っています。基本は、歴史考証が必要ですからね。年代をはっきりさせたり、実在の人物を絡めたりすると、なおさら。その時代にない言葉や物を登場させてしまうと、詳しい人から叩かれてしまいます。とはいえ、普通のファンはそんなこと気にしない人も多いでしょうが。
しかし、年代をはっきりさせず、場所も架空、という場合。これは考証が不要になってしまうから、書きやすいのでは、と思います。と、ここで出てくるのがファンタジー。日本で書かれる(あるいは人気のある)ファンタジーは、中世のヨーロッパをモデルにしたものが多いです。王国とか騎士とかが出てくるんですね。でも、実在のものではないし、単なる「それっぽい」イメージの世界。それって「年代も場所もよくわからない時代小説」とよく似ていませんか。「それっぽいこと」が書いていれば、そう見えてしまうところが。あっと、受賞作を批判してるんじゃありません、念のため。一般論としての感想です。
ただ、時代物とファンタジーで大きな違いがあります。時代物は「人情物」が多いですが、ファンタジーは「冒険、戦闘、政治」が多いです。ただ「個人の感想」としては、人情物なら現代を舞台にしても書けるのに、なぜわざわざ時代物に、という気がします。よくある「昔は良かった」論なんですかねえ?