ミステリーにしろ「仮想泥棒ゲーム」にしろ、筆者が書くストーリーの主人公は、あまりピンチに陥りません。なぜか。筆者がそういうのをあまり好きでないからです(笑)。何しろ普通の物語では、主人公がピンチに陥っても、助かるのはわかりきってますからね。死んでしまったら物語が終わってしまいます。どうやって助かるのか?をハラハラドキドキしながら読むのがお好きな人も大勢おられるでしょうが、筆者の場合、「どうせ助かるんでしょ」と思いながら読むというひねくれ具合です。
ただしミステリーを「どうせ謎が解決するんでしょ」と思いながら読むわけではないです。ミステリーというのは論理的な解決とか、思いもよらない発想(しかし妥当である)を駆使して解決するのを目指すものであって、そこは楽しみます。だから、ピンチを切り抜けるのでも「思わぬ発想」で解決するというのならOKです。力技というか、暴力で解決するのはNG。(一昨日書いたとおり)アクションがあまり好きではないから。筆者自身に体力がないし、何より暴力は「理不尽」だからでしょう。
さて、なぜこんなことを書いているかというと、昨日から読んでいる松本清張の作品で、女性主人公がピンチに陥る場面が出てくるから。それって要は、男性に襲われそうになるところですけどね。いくら事件を解決したいからといって、そういう「わかりきった」ピンチが発生しそうな場所に、わざわざ進んで行くものかなあと、疑問に思うのです。しかし、これはもしかしたら物語を掲載していた雑誌の編集部からの要望かもしれません。「読んでる人をハラハラドキドキさせるシーンを入れてください」という。たぶん、昔はそういうのが受けたんでしょう。いや、今でもそうなのかな。
でも、そういうのを読むと気分が悪くなる人もいると思うんですけどね、筆者みたいに。だから、そういうシーンはいつも読み飛ばします。