昨日の近況ノートの最後で、マンションのセキュリティーレベルの話をちょっとしました。マンションの1階は泥棒に入られやすいです。ベランダに面した窓から、とかですね。そして最上階も入られやすい。「仮想泥棒ゲーム」でもその手口を紹介したことがありますが、屋上からすぐ下の階のベランダに入るのです。だから中間の階は、それよりは入られにくい。とはいえ、マンションのセキュリティーゲートを突破されてしまうと、どこのフロアでもやり放題ですけどね。
ただ、最上階はもっとセキュリティーを高くすることができます。まず、屋上へ出にくくする。屋上へ上がるのは非常階段からでしょうが、最上階側と屋上側の2ヶ所に扉を付け、どちらにも二つ鍵をかけるといいでしょう。あと、そこに防犯カメラを付ければほぼ万全ですかね。それと、最上階自体のセキュリティーを高くするという策があります。ホテルでたまにありますが、エレベーターで最上階へ行くのに、鍵が必要にしてしまうというもの。最上階のボタンの横に鍵穴を付けて、鍵を入れて回さないとボタンが押せない、という仕組みがあるのです。最上階に数戸あるときは、その共通鍵になってしまいますけどね。もちろん、超高級ホテルあるいは超高級マンションでは、全フロアにその仕組みを付けている場合もあるでしょう。
当然、鍵自体も開けにくいものにしないといけません。ピンタンブラー錠はピッキングの達人ならあっという間に開けてしまいます。今はディンプル錠というのが最もセキュリティーが高いです。ピンタンブラー錠は鍵の側面にギザギザを付けますが、ディンプル錠は鍵の表面に窪みを入れます。ディンプルが多ければ多いほど、泥棒は開けにくくなります。ピンタンブラー錠と、原理は一緒なのですがね。ピンタンブラー錠はピンの数を多くすればセキュリティーは高まりますが、構造上、12よりも多くすることが難しいです。しかしディンプル錠では20以上にもできます。数が多いと、泥棒(ピッキングする人)はピンを「正しい位置まで押し込む」作業に時間を取られます。時間がかかる=セキュリティーが高い、ということです。泥棒は、5分で開けられない鍵はあきらめる、とされるからですね。もちろん、「いくらでも時間がある」なら挑戦するんでしょうけど。
そして、新しいマンションではそういうセキュリティーの高い鍵を採用しています。古いマンションで、ピンタンブラー錠だったところが、ディンプル上に変えるのは難しいです。全戸一斉に変えないといけないので。