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人捜しは難しい

人捜しをする長編ミステリーでは、探偵役が「人に聞く」シーンをたくさん書くことになりますが、最初のシーンからその難しさを感じています(笑)。会話を書く以前に「素人探偵の質問に、見知らぬ人が親切にも答えてくれるかどうか」を気にしますね。そういう疑問は、素人探偵が活躍するミステリーをいくつも読んでいて、不自然さを感じていたのですよ。いくら探偵役が善人に見えるからって、誰も彼もが正直に答えてくれる訳がないよなあと。

もちろん、それについてはあるプロ作家の小説講座でも「簡単に教えてくれたら、ストーリーとして面白くない」と指摘されています。そこではアドベンチャーゲームを例に出して、「Aさんから情報をもらうにはあるアイテムが必要で、そのアイテムはBさんが持っていて、それを手に入れるにはBさんに…」という感じで、主人公を右往左往させるなり知恵を絞らせるなりして、情報を引き出すための難しさを演出しなければならない、と説明されていました。主人公に苦労させるわけです。当然ですね。加えてそこに「苦労して情報を引き出したのに、間違いが含まれていた」あるいは「嘘だった」とすれば、苦労が倍加します。また、聞き方もいろいろなバリエーションがある。電話で聞く、メールで尋ねる、手紙を書く、家に直接行く、こちらに来てもらう、第三者と一緒に会う、待ち伏せする、などなど。「同じパターンの繰り返し」にならないように注意しないといけません。一人の人物に対して、様々なアプローチを仕掛ける、というのもやるべきでしょう。

しかし、どんな手法でも過去の小説でたいがいやり尽くされてますから、何か新しい聞き方(情報の引き出し方)を考えないといけません。奇抜な手段か、一風変わった場所か。どんなに風変わりなものを思い付いても、過去に一度や二度は使われているかもしれませんが、「よくあるパターン」よりはましです。素人探偵は一風変わった仕事に就いていることにしてますから、その特性を活かせればなお良し。プロットでは「何を聞くか」は考えてますが、「どこで」「どのように」は未定になっているのがいくつかあります。書きながら探偵と一緒に考えることにします。

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