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オープニングにどれくらい凝るか

物語のオープニングをどうするか。近況ノートで何度か書いた記憶がありますが、それだけ悩ましいテーマということです。殺人事件が起こるなら「最初に死体を転がせ」というくらいですから、何らかのインパクトのある出だしにした方がいいようですが…

最近は、あまり無理する必要はないかも、と思うようになりました。物語は、内容によって、それにふさわしい始まり方というのがあるのではないか、ということで。人が小説を読もうと思うきっかけはいろいろあると思いますが、「本屋でたまたま手に取って、最初の方を立ち読みしてみて、面白そうだから買って読む」という割合が、それほど高いでしょうか? はなはだ疑問です。賞を取った本だからとか、話題になっている本だからとか、名前を知っている作家だとか、そういうのに比べてかなり低いでしょう。

もちろん、出だしは一生懸命考えますよ。自己紹介みたいなものですから、第一印象は大事です。ただ、凝りすぎるのもどうか。竜頭蛇尾という言葉がありますが、「最初はよかったけど、途中から何だか…」という物語は、むしろ評価が低くなると思うのです。それより「終わり方が良かった」という本の方が、きっと記憶に残ります。

さらに、ネット小説と紙の本では書き方も変えるべきでしょう。紙の本でも、賞に応募する時とデビュー後に新作を出す時でも変えるべきでしょう。賞の時は、選考する人は「オープニングが弱い」と思っても20~30枚は読んでくれるはずなのです。それでも面白くなかったら確かにダメで(笑)、そこまでに、事件あるいはキャラクターの面白さでアピールする必要があります。つまり、死体が転がせなかったら別のイベントを起こすか、キャラクターで読ませるか。そしてそれも、単にインパクトのあるものではなく、後の内容に沿ったものであるべきなのです。

ところで、筆者は本を選ぶ時にあらすじを参考にしたいと思っているのですが、ハードカバーにはたいていあらすじが付いていません(帯や見返しにちょっと書いていることはありますが)。販促にはカバーのデザインより、あらすじの提供を優先すべきと思うのですが、出版社の人の考え方は違うのでしょうか。

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