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ミステリーと人捜し

書こうとしている長編ミステリーは、まだプロットをこねくり回している段階です。週末には書き始めたいと思っています。題材は「人捜し」です。ミステリーで人を捜す話というと、行方不明の人がいて、その縁者が探偵に捜索を依頼する、というのがよくあるパターンです。探偵はハードボイルド型、というのもパターンでしょう。それはそれで、ハードボイルドの作家も読み手も満足するはずです。しかし公募新人賞に出すには、さすがに普通すぎるかと。よほどいいキャラクターを創出するか、魅力的な事件にするか、文章で読ませるか。キャラクターを創出案の一つに、「探偵役」を一風変わった仕事にする必要があります。ただし、仕事が風変わりというだけではダメで、キャラクターもよくしないともちろんダメですが。

そして書きやすいのが「作者のよく知る業界の人物」にすることです。もちろん、作者が経験した仕事でも構いません。さらに、できれば少数派の仕事がいいでしょう。新聞記者とか雑誌記者とかルポライターとか元刑事とか元弁護士とか、そういうのはありふれすぎています。ただ、ある程度の調査能力(情報収集能力)を持ってないとダメなんですね。人捜しですから、関係者に聞いて回らないといけない。それには何らかの「信用力」が必要です。そこをどうするか。そこは「肝」なので核心は言えないのですが(笑)、「行方不明の人と同じ趣味の人」ではどうかと考えています。「同じ業界の人」というのはよくあるので、ダメだろうなと。

趣味というのは横のつながりが強く、ましてや今はネットでつながりますから、情報収集手段として適しているのです。ただし、それであっさりと情報が見つかるようでは「ご都合主義」のそしりを受けますから、何らかの障害(捜しにくさ)を用意しないといけない。人に聞くだけではダメで、現地へ行くとか。あまりあちこち行くとトラベルミステリーになってしまうのでよくないですが(笑)、現地へ行ったら別種のつながりを見つけて…ということにしてたどっていく。そのつながりに「意外性」を持たせることも必要ですし、誤情報とか偽の情報とかを交えたり、探しているうちに変な人に目を付けられて襲われたり(笑)、としてもいい。

言ってみれば「バトンを渡す相手を探す障害物リレー」なわけです。相手や障害の意外性が工夫のしどころというわけ。

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