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広義のミステリー

公募のミステリー文学賞は、「広義のミステリー」(あるいは「広い意味での推理小説」)を募集しています。鮎川哲也賞は本格派推理小説を募集しているようで、これはかなり間口が狭くて敷居が高い、別格です。では、「広義のミステリー」とは何か。すごく「今さら」なことですが、ちょっと調べたり考えたりしてみました。

ミステリーですから「謎」があればいいのです。何かわからないことがある。殺人事件なら犯人とトリックでしょうし、人捜しならその人がどこにいるか、です。ミステリーの基本形式としてフーダニット(Who dunnit)などの言葉があるとおり(他にHowとWhyがあります)、何か疑問が提出されればいいわけです。疑問形といえば5W1H。誰が(Who)、いつ(When)、どこで(Where)、何を(What)、なぜ(Why)、どのように(How)で、これらのうち一つないしいくつかが「謎(不明)」として読者に提示されていれば「広義のミステリー」ということですね。

ということは、「行われた犯罪を解明する」だけでなく「犯罪を行う過程」を描いた小説もミステリーということになりますね。たいては「何(What)を盗むか」が決まっているものですが、「仮想泥棒ゲーム」のようにヒントだけ実際の物は何か、どこに(Where)あるかもわからない、とすることもできるでしょう。で、最大の謎は「いかにして(How)」盗むか、です。ここに協力者捜しを加えてもいいでしょうね。さらに仲間の中に誰か(Who)裏切り者がいるのでは?としてもいいでしょう。いつ(When)の代わりは期限(タイムリミット)ですね。なぜ(Why)…は要素としてあまりメジャーではありません。盗みたいから、盗まねばならないから盗むわけで。

実際、「仮想泥棒ゲーム」の未公開のステージの中にはミステリー小説に翻案できそうなものもあります。それをするべきか? しかし、今は物語の作成能力を養う時期と位置づけていますので、やらない方がいい、と思ってます。こういうのは出し惜しみしてはいけないのです。もうアイデアが出ない、と思ったところから無理にでも捻り出すことができれば、本物の作家。ミステリーの幅は「広い」ですから、いろいろアイデアはあるはず、と信じねばならないわけです。

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