• SF
  • ミステリー

遺跡を眺めるシーンを書く

「仮想泥棒ゲーム」で、主人公が遺跡を眺めるシーンを書いていました。ローマ時代の遺跡ですが、規模が小さいので、一生懸命書いても全然枚数が増えません(笑)。まあ、ギリシャのアクロポリス神殿があったとしても、そうたくさんは書けないでしょうけどね。加えて、本作は基本的に一人称の体裁ですから、描写の濃度は視点人物たる主人公の観察力にかかってくるわけです。要するに、細かいところまで観察していて、なおかつそれに関する知識があれば、描写の行数は増えるというわけ。観察力と知識のどちらが欠けても、描写は減ってしまいます。

考えてみれば当然のことで、例えば遺跡でなく、料理や服のことでもそうですよね。料理の知識があれば、その料理名から材料、味にまで言及できるでしょうが、知識がなければ見た目と使われてそうな材料と調理方法を想像して終わり。下手したら「見たこともないような豪華な料理」で済ませるかも。服は知識と興味があれば上から下までブランド名を列挙できるでしょうが、どちらかが欠ければ描写すらしない可能性があります(服装に興味がない=相手の服を観察しない=描写しない、です)。そもそも、ブランドを列挙したってそれは「描写になってない」という批判もあるくらいですけどね。

それはともかく、遺跡の描写は結構難しい。「ローマ時代の遺跡」と書いた時点で、読み手の頭の中にはおおよその景色が思い浮かぶのですよ。先に書いたアクロポリスの神殿とか、歴史の教科書にありますから、実物を見たことがなくてもだいたいは知ってるわけです。それなのに描写をして、さらに何か付け加えることができるか?がポイント。古びた柱が~とか、すり減った礎石が~とかを書いても、それは既に想像された景色に含まれてます。つまり建物の様子は読み手の想像が勝手に補ってくれる。そうすると、建物は何と何と何があって、と列挙して、あとは光がどう照らしてるとか、足元が草なのか砂地なのかとか、それくらいしか書くことがない。よっぽど珍しい構造物(跡)があれば詳しく書くんですけどね。まあ、一つだけ書きました。それは伏線になってるからですが。構造を調べながら書いたんですけど、時間がかかるばかりでした。ですので、今日はまだ7枚しか書けてません。この後、もっと会話が多いシーンを書いて枚数を稼ぎたいと思います(笑)。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する